第243話 【神・護】
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目を開けるとそこは何もない草原に仰向けに倒れていた。
「見事だったよ、キーくん」
ルコサが意識が戻ったキールを起こす。
周りを見るとそこには今回の獣人騎士、そしてリュウトパーティーとヒロユキパーティー、女王……
見渡す限り大量の獣人、人間達が倒れている。
何人か死んでいるのではないかとキールは心配するが。
「大丈夫、誰も死んでいないよ」
ルコサはいつものようにヘラヘラしながら言いきった。
「これは……どうなってるんだ?」
「キーくんの唱えた【神・護】は神の力でキーくんが護りたいと思ったものを必ず無傷にする神級魔法。そう聞くと前の【目撃護】の様に対象に対して害のあるものが何も効かなくなるのを思うだろうけど、無傷にして護ると言うことで」
「と、言うことで?」
「神の力で自分の小さな世界を作り、そこに護りたい神の加護を受ける者達を転移させて来たんだ、これで神の加護を受けている者達は無傷って事」
「......」
「信じれない?」
「この場合は信じないと私達は全員死んで同じ天国に居ることになる、それは考えたくない」
「ごもっとも」
「3つ、質問いいか、ルコ」
「どうぞ?」
「ここに居る人達は起きてこの今の出来事を覚えてるのか?」
「キーくんが望めばね、この世界では君が神みたいなものだ」
「今起きてる事をこの人数に説明するのは……骨が折れそうだ、フフッ、特にクロなんてまた悔しがってイライラさせてしまう、このまま寝ててもらおう」
「クロは人一倍影で努力する人だからね、悔しがるだろうなぁ、まさか親友が3つ目の神級魔法を使うなんて」
「2つ目だ、なぜお前は全て知ってる?お前は誰だ?」
ルコサはダルそうに頭を掻きながら言う。
「前に言ったでしょ、俺は【神】の加護を貰った神の使徒だ」
「この光景を見てお前が寝ていないのを見ると今は信じれるな……それで、神はなんて?」
「それは3つ目?」
「いや、やめておくか、聞きたいことはたくさんあるが、3つ目を先に聞こう」
「うん」
「…………山亀はどうなった?」
キールがその質問をするとルコサは珍しく真剣な顔になる。
「ここに連れてこられたのは【神の加護】を受けた者達だよ、俺の加護とはまた違って一時的だけど」
「どう言うことだ?」
「つまり、【神】は試している。」
「試してる?」
「『女神』の力を持ってる者達を」
キールとルコサの頭上に大画面でアオイの姿が映し出された。
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