第193話 ユキのタイムリミット

 《ミクラル城 医務室》


 この国の最高医療魔法設備の中、一人の少女が息を引き取ろうとしていた。


 「容態が悪化!」


 「魔力ジェル注入して!急いで!」


 「おかぁ……さん」


 刻一刻と少女の身体は弱っていく。


 きっと今の言葉も最後の力を振り絞って放ったのだろう。


 魔力の枯渇。


 本来の魔力の枯渇ならばここまで重体にならない。


 しかし、この少女の場合は違う。

 

 命の危機。

 

 どういうわけか少女の身体はほとんどの機能は魔力で補っている……まるで魔力で動く人形の様に……


 「先生!」


 「くっ!」


 医師達もこの国では一位二位を争う手練れたものばかりだが、なす術がない。


 「ここまでか____!」


 医師たちが諦めたその時、扉が開きそこに立っていたのは狐の耳にもふもふの尻尾を持った獣人だった。




 「良く繋ぎましたね、後は任せて~」



 「あなたは!?」


 「私の名前はたまこよ~、そうね~“六英雄”の1人と言えばいいかしら〜?」


 「っ!?」



 たまこはそう言ってユキの前に立つ。


 


 「それじゃぁいくわよ〜」





 そして六英雄のたまこは“奇跡”を起こした。








 

 

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