第174話 理不尽な取引!
「ここまでが、町まで来る道のりじゃ、覚えたか?」
「はい……」
正直覚えてません、だって!無理だろ!山の中はどこをどうみても同じだし!
洞窟のなかに関しては色んな道あるし!
どうしよ……
現在は俺が居たカジノの町とは違う小さな町に来ている。
名前は知らないけど獣人は少ないし昭和の時の魚屋みたいに建築ウッドの下を切り取って出店みたいにしている。
おそらく、ここで食材を買うのだろう。
「お前の居た町は人間嫌いが多くてな……あそこでは人間はギャンブルしかさせてくれない、それも金づるたしてな?ワシは元々そう言うものには強いので金づるにはならなかったがのぅ」
「......」
「まぁよい、今日はワシが買うので荷物持ちを頼んだぞ」
「わかりました」
「何がいる?」
「そうですね……最近はお肉を切らしてきてるので」
「肉か、わかった」
____買い物後!
「家が見えたぞ、アオイ」
「は、はい……」
買いすぎた……両手いっぱい布袋を持って来た道を戻っていて、やっと……本当にやっと家が見えて来た!
……うぅ、手が痛ぇ……肩から肘にかけて乳酸菌がぁぁ……
じいさんも何だかんだ少し持ってくれてる。
だって珍しいものばっかだから味もわかんないし取り敢えず買いまくるしかないじゃん?
この世界に来てから自分の趣味が料理になりそうだ。
「…………」
「あれ?人が来てる?」
家の前に人が居て真っ直ぐこっちを見てる。
近づくに連れてその正体がよく見えて来て……え!?
「え……な、なんで」
「……」
そいつを忘れた日は一度もない、獣人で全身が黒く、立派な『牛の角』があり、俺を舐めるように見てきて下品な笑顔をだすソイツは__
「よぉ、待ってたぜぇ奴隷」
あの時、カジノで俺をボコボコにした張本人だった。
「ふむ……あの時の獣人か」
「てめぇ見たいな奴がこの奴隷を使うより俺の方が上手く使ってやれるから取りにきてやったぞ、ありがたく思え」
「んな!?僕はこの人と契約しています、だから__」
「てめぇは黙ってろ!」
「ひっ」
こ、こわ……いや、女みたいな事言うなとか思うじゃん?違うんだよ!まじで目が血走っててめっちゃ怖いの!
おれ元の世界で不良とか絡まれたら年下でもごめんなさいって言っちゃうくらいだから!心弱いの!
「……コイツの言う事は正しい、それよりどうやってここまで来た」
「あ?んなもんついてきたに決まってんだろ、お前、あのカジノが消えてからどこそこの町を回ってはちょこちょこ稼いで帰ってるみてーじゃねーか?そんなに勝ちまくれば俺たち《熊さん組》が黙ってるわけねーよな?仕方ねーから俺が立候補してずっと見張ってたって訳よ」
「......」
まさか最近帰ってきてないのってカジノで金を?
しかも朝から夜遅くまでで大金を稼いでいる……それも毎日だ。
つまり
「僕の維持費……」
「そうだよなぁ?こんな高級奴隷を維持すんのに大金は必須だよなぁ?でもテメーは稼ぎすぎた、《熊さん組》に目をつけられて生きれると思うなよ?ゲッハッハッハ」
「……前にも話たが、ワシは《愛染家》と深い関係が__」
「安心しろ、だからカジノとかで殺さないでやったんだ、こんなアヤカシがウロウロしてる山で死んだなら誰も殺されたとは疑わないゲヘヘ」
「……」
「だが……お前らの言う通り、この奴隷の権利はお前にある……てことで交換条件だ」
「お前の提案を飲むつもりはない、大人しく立ち去れ」
「おいおい、いつ死ぬか解らないじいさんが寿命を早める事はないぜ?……あのガキの様になりたいのか?」
……え?あのガキ?
それって!?
「な!お前ユキを!?」
「まぁ焦るな、その前に取引だ」
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