第72話 それぞれの新たな道!

 


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 「いらっしゃいませ、どんな奴隷をお買いに?生憎、目玉商品は少し前に売れてしまいましたが、売れ残りで良ければ」


 「あぁ、自分で見て決めるから気にしないでくれ」


 「そうですか、残りの奴隷は奥の部屋に置いてありますのでごゆっくり」


 「こう言う場所は来た事がないから新鮮だな」


 そう言ってリュウトは周りを見渡し注目を浴びてないのを確認してみやに小さな声で話しかける。


 「みや、どうだ?」


 「ぅーん、もうここには居ないみたぃっ、せっかく尻尾を掴めると思ったのになぁ」


 「そうか……お、これ!唐揚げじゃん!」


 「からぁげ?」


 「あ、えーっと、これは俺の故郷の《唐揚げ》っていう食べ物なんだ」


 「へぇ〜、あむっ……おぃしぃ♪お肉はベルドリだねっ」


 「だろ?ベルドリの唐揚げか!どこに行っても唐揚げなんて無かったから一体どんな奴がつくっ____うぇえええええええ!?!?!?!?」





 唐揚げを作った奴隷の写真を見てリュウトは驚愕の声をあげるのであった。


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 「なんと!?クリスタルドラゴンが!?」


 「はい、グリード王国に姿を現したそうです」


 ミクラル王国の王はグリードで起こった事件を耳にして驚愕する。


 「いや、待て、これはグリードに借りを作るチャンスである!援軍は必要か確認を____」


 「それが......アレン国王......クリスタルドラゴンは二日で討伐されました。」


 「な、なに!?それはどう言うことだ」


 「ギルドによると冒険者一丸となりダメージを負わせ、最後はリュウトという少年がトドメをさしたと……」


 「ありえん、あのクリスタルドラゴンが二日だと!?今すぐ詳細を調べよ!」


 「はっ!」


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 「......来なくていいのに」


 「いいえ!例え山菜依頼だろうが荷物運びだろうが私はヒロユキさんに付いていきます!」


 「......前は一人で行けって言ったのに?」


 「うぐ、その時の私はどうかしてました、むしろ自分の愚かさを再確認できて良かったです」


 「......ユキは心配しすぎ」


 「心配しすぎくらいがちょうどいいんです、ほら、まずはダイヤモンドくらいまでランクをあげないと旅も目的もできません!働く働く」


 「......仕方なし」


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 グリード王国の女王の書斎で1人、秘密裏にサクラは代表騎士に通信をしていた。


 「すいませんね、キール……あなたに任せっぱなしですわ」


 {とんでもない、私は国の代表騎士です、これくらいは当然の職務です}


 「本題に入ります、此方も色々と報告を聞き確認したい事があります、クリスタルドラゴンを討伐したのはやはり“彼”ですか?」


 {……はい}


 「そうですか……この事で他国の者たちが調べてくる可能性があります、キール……何度もいう様ですが所在が分かっている2人とは違い彼女から情報が漏れる可能性が高いですわ、一刻も早く見つけなさい」


 {心得ております}


 「よろしいですわ、そちらの仕事が軌道に乗り次第すぐに出発しなさい、お父様が死んだ事を公表し出来るだけクリスタルドラゴンの事を撹乱します」


 {了解しました}

  

 そこまで聞いて通信魔皮紙を切る____


 『ほんっっっっっと使えないわね!あのボンクラ騎士!』


 ガシャンと机に飾っていた花を花瓶ごと蹴飛ばす。


 『そこら辺の有象無象の人間どもなんか無視して私の命令に従いなさいよ!使えない使えない使えない!」


 彼女の目は赤く、別の人格……女神が出てきていた。


 『それよりもどういう事?アオイちゃんの気配が消えた?あり得ない、彼女にあるのは私の一部よ!?どこに何をしてようが分かるのに!!!』


 女神は戸惑う、イレギュラーの数々に……


 『それにクリスタルドラゴンを出現させるストーリーはまだ先のはず!明らかに何かおかしいわ!』


 女神の感情に呼応する様に部屋の中の明かりは消え暗く太陽の光さえも無くなって行く。


 『…………まぁいいわ、時期にこの身体も私の物になる……その時は覚悟していてね…………アオイちゃん♡』



 最後には不気味に光る女神の目だけが部屋で唯一の光りだった……


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______そして__



 01月01日0時


 ある貴族のお屋敷の部屋で冷凍睡眠カプセルが音を立てて開かれる。


 中から現れたのは、天より降り注ぐような美しさを放つ存在。

 その一本一本が、輝きを宿す煌めく金髪が、まるで太陽の光を受けて輝くように、腰まで優雅に舞う。

 触れれば指がその柔らかさに溶け込むかのような、まばゆい魅惑の胸。



 ただただ見る者の心を奪い去る究極の美の存在。



 その青い瞳が開かれ、透き通るような声で、彼女は目の前の老婆に礼をしながら話す。





 「これから3ヶ月。よろしくお願いいたします。マスター。」






 その女性の目にはもう……かつての希望の光は消滅していた。












 ____第一章 完____







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