AIノコトバ

作者 真野てん

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★★★ Excellent!!!

アンドロイドと人間は、こころを通い合わせることが出来るのか。

文中にこんなくだりがある。
ひとつめは、警官との会話。ふたつめは、とある男との会話。

「貴様、名前は」
「アリスと言います」
「誰がペットネーム(愛称)など聞いた。番号で答えろ」
「……ED209。汎用型ハウスキーパー・ガイノイドです」


「なあ、おまえ名前は?」
 男の問い掛けに、アリスはしばし逡巡して「ED209」と答えた。
「違う。そうじゃない。シリアルなんか聞いちゃいない。おまえの名前が知りたいんだ」
 男の言葉に驚いた彼女は、ただでさえ大きな瞳をまん丸にして。
「アリス」
「――アリスか。いい名前だ」


この対比と、献身的なアリスの優しさがこころにしみました。
機械だというのに。いや、人間に従順なようにプログラムされた機械だからか。
人のなかには、優しさもあれば残酷さもある。
彼女には、負のプログラムがない。
しかし、アリスはとても「人間らしく」見えます。

この話のラストに待っているのは、どんな結末なのか。
静かに、人としての在り様を問いかける名作です。

★★★ Excellent!!!


きっとどんなに未来で複雑な技術の結晶を形作ろうとも人間の本質は見えない人には見えないのだろうし、見える人には見えるのだろう。

そう。例えば主人公であるAIのアリスちゃんなら、ね。


書き出しは重厚ですが、読み進めていくうちにキャラクターの会話が続き読了まで綺麗に5000字で収まっています。

素敵な5分を感じることができる作品に仕上がっていると思います。