第百十二回 以上により、秋の情景に似合う青春物語の開幕だよ。
――そう思うと、または瞳を閉じてみれば、……秋から冬にかけてのロマンス。そんなイメージが広がる。その情景の思行くままに、沸き出す知恵。僕は企んじゃった。
まだぼんやりかもしれないけど、……十万文字を目指せるような物語が見えた。矛と盾の組み合わせになりそうだけれど、決定的な何かを肌で感じた。――そのような経験をしたことがあるでしょうか? と、僕は問いたい。質問を投げかけたい。
進め、文字。変換の嵐。
以上のことを胸に秘め、僕は求める。大好きなあなたの答えを、今この時に。
……あっ、
でも今朝は、平日の朝。
そのことを忘れていた。学校がある、いつも通り授業があることも。
そう、時間の経過も忘れていた。僕の感覚、……時間は動き出した。
時計は、うまい具合に七時ジャスト。学校は八時四十五分から始まる。……でも、電車通学の身。学校は私立だから。「……もう転校の心配はない」と、いつかのパパは言っていたが、それに便乗しての逸早い受験。公立や市立の選択肢を選ばなかった。お勉強は好きではないけど、僕は自負できるほど頑張った。選択肢のもう一つは塾。……それも選ばなかった。月間教材のチャレゼミで日々精進に尽くした。高校受験の前に中学受験を経験することになるが、……MAX一年半の転校生だからって、いじめやお友達のことで悩むことなく……わかり合えて、納得するまで。これからはね、安心してお友達とワイワイできる学校生活。――そこで「起きなさい!」とのママの声。
もちろん、そこは「もう起きてるよ」と、PCをシャットダウン。登校の準備へとモードを切り替える。これまでは一人での登校だったけど、最寄りの駅で
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