第九十九回 それは必殺技の一つ、遊び心は満載!
――車窓から見える、また下校時の電車とは異なる、流れるプールのような景色に心躍る。独特な走りのレッドな車は、嘸かし取り巻く周囲の色とマッチしているだろう。
だからといって、ここは海辺ではない。
ブルーとは青色、昔の人は……もしかしたら現代でも、青のことを緑と言う人がいるかもしれない。なら、緑の中を走る真っ赤なポルシェ擬き。……フムフム、何か違う。
「ねえねえ
後部座席、僕の隣には
「何冷めてんの? クールなつもり?」と、カクカクと両肩を持って、僕を揺らす。
そしてシカジカと「そんなの梨花に似合わな~い。
「わ、わかったから、揺らすのやめて!」
「じゃあスマイルスマイル、ぶん殴るよりマシでしょ?」
と、スマイルな可奈。「どっちもやだ」と、僕は言う。
そーこーしているうちに、
「着いたよ」と一声、
まあ、ぽっちゃりとした体型はともかく、
昆虫色の輝く
――ライダーだ。と、思いきや、ヘルメットを脱いだ。
「ミズッチ、飛ばして来たな?」と、下車する未来さん。もうここは病院の駐車場。
「あはっ、ちょっとよ、ちょっと、近道込みで……」って、どう見てもバレバレだ。
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