第六十二回 その数字、それはフライトナンバー?


 ――だとしたら、僕の大好きな曲だ。


 暗号化したタイトル、きっと『学生街の喫茶店』であるなら『ボブデュラン』の位置づけに値する曲だと思う。そのことも証明するために、いざ喫茶『海里マリン』へ。



 五番町に行くには、バスを使用する。


 僕と可奈かなだけなら自転車を用いるけど、千佳ちかは「自転車に乗れない」と、……そう言っていた。だからこそのバス、いやいやいや、それだけではない。そのあと『ルネッサンス千里せんり』へ向かうのだ。私の鉄道も利用するから、どのみちバスの方が都合が良いのだ。


「レッツ・スタート!」

 ――インザ、センリシティ! そこからだ! 勢いが生まれる。


 自転車よりも速い、

 なぜならバス、車窓から大河のように流れる町の模様……。


 五番町は、千里の町より少し北方の位置。それでいてお隣さん。


 僕のお家は千里の町でも、極めて五番町に近い位置。そのため、若干Uターンに近いけれど、Uターン禁止の青春もの。その意味から、このエッセイだって一発勝負なのだ。



 バスを下車。三人一緒だ。このバス停から、徒歩おおよそ二分。


 近づく、

 近づいている目的の場所、足並み揃えつつ。


 ――本日より再びの開店。ここは喫茶店らしくカランカランと、効果音響く四角い窓が無数にある木製のドアをオープンする。そこから先は、壮大なる青の世界……ジ・アナザーワールド。以前と何ら変わらない。曲は流れる。ボブデュランの位置づけに値する曲はBGMバックグラウンドミュージック。『六十二』という数字が決め手の『フライトナンバー』を示す曲。……と、いうよりかは、それ以外の曲がないのだ。……きっと。


 そして僕たちの存在に気付く顔ぶれ、……ええっ、その中には?



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