第四十七回 やっぱり氷山の一角。


 ――もっと奥が深かったと知る事となる、この場所で。



 おおっ?


 ……『知る事』を、よく見たら『知事』――この令和の世、裕福でない一般の人々の暮らしを知り、この事実を、もっともっと日本の政治を収める立場の人々に伝えるのだ。


 潜在意識なのか?

 この一声と同じ思いに立ち、ペンを振るうのだ。


 更なるは御振る舞い、アクションを起こすため、この舞台に立つのだ。

 ザ・脚本の意は、そこにあるのだと悟る。


 誰に言われたわけではないのだけど、舞台の上で今、一緒に舞っているマリさんの呼吸が、または鼓動が、そう意識を超えるその奥から僕のハートを直撃した。



 ――瑞希みずき先生が可奈かなを伝って、この場へと僕を連れてきてくれたこと。



 これまた氷山の一角にすぎないけれど、

 これまた同じ思いというのは厚かましいのかもしれないけど、


 それでも、それでも僕は、


 大先輩のマリさんと同じ本を熟読して、異なれど『ザ・脚本』が誕生した。


 されど脚本を書いた者は主人公の心がわかると、時の違いはあれども同じ瑞希先生の言葉通りに、マリさんと僕は主人公を演ずる。基は一人称、『わたし』だから。


 でもでも、演ずる際でも、僕は『僕』になってしまう。


 ――それでもいいよ。


 と、マリさんも、

 瑞希先生も、可奈は一味違うけれど、


 同じ風、ここに集う十五人のメンバーフィフティーンは、この体育館で異体同心となった。



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