第二十九回 今日はパパと。


 ――遊びてえ!



 せっかくの夏休みなのに、

 せっかくパパが、東の都から帰ってきているのに、


 ……まだ続く。


 それが青春というのだろうか? 演劇部が中心のエッセイ。



 ……つまんない。


 と、いうことで、


「たまにはいいでしょ? ねえ、可奈かなあ……」


「まったくもうユサユサ。あなた幾つなの? そんな甘えた声まで出して」


「やだやだ、パパと遊びに行くんだから」


 で、頭抱え溜息、可奈だけは。


「……もう仕方ないわねえ。もう八月に入ったし二十四日まで日もないけど、あなたの脚本、しかと編集してあげるから、後からの文句は受け付けないよ」


「……うん」


「それから、帰って来たら、ビシビシやってもらうわよ。演劇部の稽古も、千里せんりプラモデルコンクールの出展も。……妥協なんかしたりしたら、許さないんだから」


 それでもって、ちょっと怖い。


 で、思わず、

「あの、手伝っては……くれるのかな?」


梨花りかが勝手に妥協しないようにね。あなたが手を抜いたり、逃げ出さないようにお尻ペンペンしながら手伝ってあげるのが、わたしの役目だからね」


「うん!」


 満点な笑顔、僕と可奈。――昨日を経て今日、朝一番のエッセイはこれで決まりだ!



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