16編
次に目を開けた時は以前に見た光景が
目の前に広がっていた。
(ここはもしかして…。)
「ここって過去の世界じゃない!?」
私の疑問もそのまま口にしてくれたのは
美春だった。
「何で俺達、過去の世界に飛ばされたんだ?」
「それよりも麗華は!?やっぱり
もうこの世に居ないの…?」
私が再び麗華がこの世から
居なくなってしまった
現実に浸ろうとしていたその時だった。
「痛た…。勝手に私を殺さないでよ!
生きてるわよ!」
私が今、最も聞きたかった声が
聞こえてきた。
「麗華!」
皆、麗華の元に駆け寄った。
「麗華ちゃん〜心配したんだよ!」
「生きてたか。本当に良かった。」
「麗華…。」
私は気付いたら
ポロポロと涙を流していた。
「何泣いてんのよ、胡桃は。」
「だって麗華が死んじゃったと思って…。」
「この通り生きてるわよ。でも、未来で
龍に襲われたはずなのに、何ともないわね。」
(確かに…。麗華は未来で龍の攻撃に直撃した
はずなのに、怪我一つ
負っていないのは何故?)
「麗華ちゃん、大変だったね。
でもこれでハッキリしたよ。」
どこかで聞いたことのある声が
聞こえてきた。
「時生さん!何で過去の世界に居るの?」
「どうやら君達が現れてから、僕が異次元の
世界を渡ることが出来る基準も君達の
行動次第で飛ばされるみたいだ。そして、
今回過去の世界に飛ばされたのは、
麗華ちゃんが未来の世界で
死亡したからだ。」
(どういうこと…?麗華が未来の世界で
死んだことが異次元の扉が開く条件に
なってるってこと?)
「それはどういうことですか?」
私は疑問をそのまま口にした。
「麗華ちゃんは未来の世界の
キーパーソンなんだ。
キーパーソンがその世界で死ぬと、
ランダムで異次元の世界に飛ばされる。
キーパーソンの役割はその世界で
非常に重要となってくる。
死ねば異次元の世界に飛ばされるし、
中級ボス・魔王幹部・ラスボスを倒す要に
なってくるのもキーパーソンだ。」
「キーパーソン?麗華が?それって
未来だけじゃなくて、過去や現在の
キーパーソンも居るの?」
「その通りだ。雷太くんと美春ちゃんは
過去のキーパーソンで、胡桃ちゃんは
現在のキーパーソンなんだよ。」
「俺達もか?そんな重大な役割なんて
ごめんだな。」
「私も魔王幹部とかラスボスとかと
戦うなんて怖いよ…。」
(私も現在のキーパーソンだなんていきなり
言われてもどうすれば良いの?
「それでも戦うしかないんだ。
キーパーソン達が中級ボス・魔王幹部・
ラスボスを倒さないと
俺の今までの調査ではモンスター達は
完全に消滅しない。俺も昔1人で
そいつらを倒して
モンスターを消滅させた。
俺が戦ってた頃はここまで
モンスターは強くなかったがな。
それに麗華ちゃんがやられたと
言っていた龍は未来の
中級ボスのことだろう。
まずは過去・現在・未来の
中級ボスを倒すといい。
中級と言っても今の君達のレベルでは
かなり強いがな。どうせしばらくは
異次元の扉は開きそうにないし、
この過去の世界でまたレベル上げを
したらどうだ?俺が知っている情報は
提供しよう。」
(中級ボス・魔王幹部・
ラスボスを倒すことで、
モンスターを消滅させられるの?
また、私達の街が平和に
なるならやるしかないのかな。
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