第23話 おじさん失踪事件

「えっ・・・?」


 店員のその言葉に戸惑いを見せる泥棒。静かに、淡々と、そして威厳のある店員の話し方に、俺もすっかり聞き入ってしまっていた。まるでサスペンスドラマのラストで、追い詰めた犯人を諭すシーンのようだ。これ録画しとけばよかったかも・・・。


「出来の悪いお前に痺れを切らせ、一度私がお前の営業について行ったことがあったな。あの時、私はお前にラストチャンスを与えたつもりだった。お前が今日も駄目だったら、今度こそ肩を叩こうと考えていたんだ。あの日のお前はとても緊張していた。お客様の所へ向かう車中、ハンドルを握るお前の手が震えていたのを横目で見たのを覚えている。お客様を前にしてもそれは同じで、逆に気遣われる始末。あの時は横で見ていて思わず天を仰いだよ・・・」


 店員の話を泥棒は俯いて聞いていた。そして、俺も同じく俯いていた。


 泥棒は今何を考えているのだろうか。もしかしたら俺と同じかもしれない。何とも耳の痛い話。まるで俺が言われているのかと錯覚しそうな程である。俺の耳、最後までもつだろうか。出来るなら今すぐ耳鼻科に駆け込みたい。


「・・・だがな、俺はお前の四苦八苦しながら商品の説明をしているのを聞いていて、おやっ?と思ったんだ。こいつ、よく商品のことを理解しているなと。確かに話し方はしどろもどろだったが、まるで説明書を丸暗記しているかのように、お前は細かい部分まで商品の事を把握していた。私は驚いたよ。きっとここまで商品の事を理解しているのは、お前が同期の中で一番だろう。それで分かったんだ。こいつは確かに口下手で営業向きではないのかもしれない。しかし、それを補うべく必死で勉強したんだと。お前は会社のお荷物だったが、この努力は汲んでやらなければいけないなとそのとき思ったんだ。そして、俺はお前の肩を叩かずに定年を迎えることが出来た」


 さっきまでの威厳のあった店員の声が、段々と優しく柔らかくなっていくのが分かった。今、泥棒は何を考えているのだろう・・・。きっと俺と同じかもしれない・・・。


 俺は泣きそうになっていた。世の中にはこんな素晴らしい上司がいたのだ。上から嫌味を言われ、下から同情される情けない毎日。既に外回りは諦めてはいたけど、それを少しでも挽回しようと、日々勉強し、内勤に心血を注いできたのだが、そんな俺の努力を誰も見てはくれなかった。


 やはり皆、見てくれの派手な部分にしか関心がないのだ。サッカーに例えるなら、華やかなMFやFWばかりに目が行き、DFやGKを等閑にしているのと同じだ。まあ俺の場合、そんな選手たちどころか、審判、いやラインズマン程度かもしれないが、それでも彼等らがいなければ試合にはならないのだ。そこのところをよく考えて欲しい。


 俺もこんな上司の下で働きたかった。いや、こんな良い上司だ。それ相応の良い会社にしかいないのかもしれない。だとしたら、あんなボロ会社に勤めている以上、俺には縁のない話かもしれない。世の中は本当に非情である。


 俺は不意に現れたこの店員のおかげで、最近斉藤による騒動によって蔑ろにされてきた、新天地を求めるという決意を再び新たに出来たような気がしていた。


「・・・どうだ、沖原。私と一緒に戻ろう。そして、きちんと自首するんだ。会社には私がなんとか働きかけしてやる。今の私にどこまでの影響力があるかは分からないが、しないよりはマシだろう・・・」


 店員は収拾をつけ、いよいよまとめに入ったようだ。本当、どこまでいい人なのだろう。アフターケアまでしてくれるなんて、全く上司の鏡である。こんな言われ方をされたら、どんな悪人だって黙って言うことを聞くだろう。全く無関係な俺でさえ、こんなに感動しているのだから。


「・・・うっ、うるせぇ!お前には関係ねぇんだよ!」


 泥棒はまるで息を吹き返したように、突如大声を張り上げて睨みを利かせた。


 なんて罰当たりな泥棒だろうか。まあ、泥棒という自体で罰当たりなのかもしれないが、まさかここまで聞き分けの無い奴だとは思わなかった。


 泥棒は再び興奮しだし、例の鞄に手をかけた。一体何をするつもりだ?ナイフは今俺が持っている。まさか今度はハンマーを取り出したりはしないだろうな。


「あっ!?」


 思わず声が出る。大きく開かれたスポーツバッグからゆっくりと姿を現したのは、茶色く、手にしっかりと収まる幅の木の棒。それがどんどんと伸びてきて、次に目に入ったのは、その木の棒の先に取り付けれた、黒い鉄の塊。そう、これはもう疑いようの無い、最悪の勘が当たった瞬間だった。


「沖原!何をする!?」


「うるせんだよ!俺を呼び捨てにすんな。もうお前はただのくそジジイなんだからなぁ!死ねよ!」


 泥棒は最早、狂気に満ちていた。取り出したハンマーを肩まで振り上げると、そのまま俺達の方に駆けて来た。


 俺は後ずさりした。今度はどうする!?またこの男性に助けてもらうか!?あれだけ見事な背負い投げだったのだ。リプレイが無いのならもう一度見たいところである。今度もまた華麗に決まるに違いない。それが分かっていているのに、全く愚かな泥棒である。まあ、あれだけ聞き分けの無い男だから仕方が無いかもしれない。


 店員は再び表情を強張らせて構えた。構えるといっても、カンフー映画なんかで見せる、格好いい構えとは違って、ただ両腕を胸の前にやるだけのものだったが、その姿は一部の隙も無い完璧な構えに見えた。


 なんと頼もしいのだろう。考えみれば、相手は単なる定年を迎えたおじさんなのだ。そんな人に全部丸投げして、若い俺たちが指を銜えているだけというのは、第三者から見ればいかがなものかと批判されるだろうが、さっきのあれを見せられたら誰だって自分の出る幕は無いだろうと思うはずだ。カンフー映画だって、老師と呼ばれたおじいさんがメチャクチャやるんだし。


 なので店員、いや、元上司のおじさん。思い切りやっちゃってください。この分からず屋の狼藉者をどうか成敗してやってください。そうじゃないと、また同じことの繰り返しになるかもしれません。一度はシンパシーを感じ、同情しましたが、もういいです。奴の目を覚まさせる意味でも、どうか遠慮なくやっちゃってください・・・。


 泥棒は一目散に駆け、俺達の前に立ち、壁になっていたおじさんめがけ声をあげながらハンマーを振り下ろした。その瞬間、さっと身を交わすおじさん。ハンマーは空を切り、泥棒は顔を歪ませ舌打ちをした。まさに映画さながらの迫力。俺たちはそれを一番の特等席で見ていることになる。


 出会って間もないというのに、この元上司のおじさんに対し全幅の信頼を抱いていた俺。なので間違ってもおじさんがやられるなんてことは思いもしなかった。泥棒の攻撃を危なげなくかわすおじさん。これはいつまたあの華麗な投げが決まるか時間の問題だった。


 そうやって俺は高を括って、一瞬、二人から視線を外した。その瞬間だった。突然、おじさんの呻き声が耳に飛び込んできたのだ。反射的に視線を戻す。するとおじさんが肩を抑えてうずくまるのが目に入った。


「おじさん!!」


 斉藤が一足早く、おじさんの元に駆け寄った。


「油断したよ・・・」


 そう、か細くおじさんが言ったのが耳に入った。


 まさか、おじさんがやられるなんて。こんな事ってあるのだろうか・・・。


 泥棒は興奮して息を切らしながら、うずくまるおじさんを見下ろしている。


 やられた・・・、やられたのだ。さっきはあんな見事な背負い投げを披露してくれたおじさんが、まさかこんな不貞にやられるなんて。


 気持ちの整理がつかない俺。その時、泥棒の俯く顔がゆっくり上げられ、正面に立つ俺と目があった。その瞬間、体に戦慄が走る。ホラー映画さながらの展開・・・って、もう映画の話なんてしている場合ではない。


 泥棒はハンマーを握り直し、おじさんに寄り添う斉藤に視線を移した。やばい、今度は斉藤がやられる!


「斉藤!」


 俺の叫びに一瞬こちらを振り返った斉藤だったが、斉藤は後ろに引くことなく、その場でゆらゆらと立ち上がった。手には鞄。その時、俺はその握られた手がやけに力んでいるのに気がついた。


 まさかこいつ、まだこの泥棒とやりあう気か。どこまで無謀な奴なんだ。おじさんだってやられたんだ。お前が相手になるわけないじゃないか。


「斉藤!」


 俺は再び叫んだ。しかし、斉藤は動かない。その背中からは怒りが感じられた。漫画でよくある湯気みたいなオーラが、背中や肩から沸き立っているように見える。これはもう誰にも止められない雰囲気だと俺は察した。


「おい、お前は逃げろ。そのまま通りに逃げられるだろ?」


 斉藤は俺の方を見向きもせず、一瞬ゾクッとするような程の怖い声でそう言った。


 確かに背中の先には、さっき俺たちが入ってきた大通りがあった。このまま回れ右すれば、俺だけは確実に助かる。


 このまま逃げて二人を見殺しにすれば、俺はただただ、非人道的で人でなしの最低野郎と化すだろう。犯罪ではないかもしれないけど、俺には一生良心の呵責が付きまとい、後ろ指を指されながら生きていかなければならない。それはあまりにも耐え難い人生だと言える。


 しかし、そう頭で思っているのにも関わらず、俺の足は自然と後ずさりをを始めていた。


 自分でも本当に最低な行為だと思う。二人とも本当にすまない・・・。


 おじさん・・・。あなたは本当に素晴らしい人だった。新天地では是非あなたのような上司に巡り合いたいものです。どうかこの危機的状況を乗り越えて、定年後の余生を楽しく生きてください。


 斉藤・・・。お前には振り回されっぱなしだったけど、お前の事、嫌いじゃなかったぜ。一緒に飲みに行く事はままあったけど、所詮仕事上の付き合いだ。もう二度と会うことはないだろう。だが、どうかこの危機的状況を乗り越えて、水原さんと幸せになってくれ。本当、ありがとう・・・。


 二人への、簡単な今生の別れを終えた後、俺はくるりと体の向きを変えた。視線の先には、大分昇ってきた朝日に照らされた大通りが見える。薄暗いこのビルの谷間を抜け、俺はあの朝日に向かって、新天地へ向かって駆けていくのだ。駆けたら決して振り返らない。もう二度と同じ轍は踏むわけにはいかないのだから・・・。


「本当、色々ありがとうな。新しい職場でも頑張れよ・・・」


 背中から突然聞こえた斉藤のその言葉は、そのまま俺の背中を突き刺した。足は止まり、スルリと鞄を落とす。俺は恐る恐る刺した本人を振り返って見た。


「おっさんの仇は俺がとる。覚悟しやがれ!」


 斉藤は俺が口を開く前に、手にしている鞄を頭の上まで掲げ、そのまま泥棒に向かって勢いよく駆けていった。


 何故だ、何故斉藤が俺が辞めようとしている事を知っているんだ?この事は社の人間には勿論、両親にもまだ話していないのに。


 斉藤は駆けていった勢いそのままに、掲げた鞄を泥棒の頭上に向かって思いきり降り下ろした。しかし、泥棒はハンマーを横に倒し、その攻撃を危なげなく受け止めた。


 思いきり防がれた反動で、斉藤の体は後ろに大きく仰け反ってしまった。その隙を泥棒は見逃さず、今度はハンマーを縦にして、大きく頭上に掲げた。そしてそのままビュンという、風を切る音がする程、思い切りそれを振り下ろした。


 一方、斉藤は向かってくるハンマーに対し、瞬時に、弾かれた鞄を両手で顔の前に持ってきて、間一髪受け止めるのに成功したのだった。


 手に汗握る攻防である。しかし、今の俺にはそんな事はどうでもよかった。俺の決意を斉藤が知っている、その理由を知るのが一番だった。


 そうは言っても、本当にこのままでいいのだろうかという思いは無論ある。おじさんは依然としてうずくまり、斉藤は明らかに不利な状況で懸命に戦っているのだ。


 赤の他人であるおじさんを助けるため、命がけで鞄を振り回している斉藤。そして、何故知っているのかは知らないが、所詮仕事上の付き合いでしかない俺に、温かい励ましの言葉をかけてくれた斉藤。自分は肝心の禿げたおじさんに結局会えず、こんな地味で寂しいビルの谷間でその命を散らそうというのか。


 俺は段々防戦一方になりつつも、耐え続ける斉藤の姿を見ているうちに、自分の体が熱くなっていくのを感じていた。


 耐え凌ぐ斉藤。すると泥棒が突如、振り下ろしたハンマーを空ぶった。大きく体がよろけ、倒れ掛かる泥棒。流石に疲れが溜まってきたか。


 斉藤はその隙を見逃さず、よろけて後頭部が露になっている泥棒に向かって、思い切り鞄を振り下ろした。決まった!!俺はそう確信した。


 しかし、斉藤も既に疲れていたようで、動きに精彩が無かった。瞬時に泥棒にかわされ、自身も大きく空振りしてしまった斉藤は、中に入っていた物を色々ぶちまけながら、なんと鞄を手放してしまった。


 鞄はビルの外壁にぶつかった。俺の足元にコロコロと何かが転がってくる。何とコンパクト型の手鏡だった。きっとモテるために、日頃からこれで髪型チェックでもしているのだろう。こんな危機的状況だというのに甚だ恐縮ではあるが、俺は咄嗟に、似合わねぇ!と思ってしまったのだった・・・。


 唯一の武器を失った斉藤。疲れもあり、ふらふらと膝をついてしまった。額はこの寒さにも関わらず汗だくで、前髪がベッタリとくっ付いている。今鏡が見れたらね・・・。


 泥棒はそんな丸腰の男を当然見逃さなかった。肩で息をしながら、そろりそろりと膝をつく斉藤に近づいていく。


 まずい!本当にまずい!!このままでは確実に棺桶、斉藤が殺されてしまう!!


 ・・・もう、やるしかなかった。俺がやるしかないのだ。逃げてる場合じゃない。励ましてくれた斉藤の為、俺が奴を倒すしかないのだ!!!


「待てぇ!!」


 俺は勇気を取り込み、恐怖を放り出すため、思い切り叫んだ。そして斉藤のそれに習って、泥棒に向かって思い切り駆けた。頭の中は空っぽだった。


 駆けながら、泥棒がびっくりしてこちらを見ているのに気がついた。


 ・・・やれる!びっくりした隙にやれる!!やれる・・・!!


 ・・・しかし、どうやって?


 俺は駆けたのはいいものの、自分も丸腰だということに気がついた。鞄はさっき落としたままだった。


 一気に血の気が引いていくのが分かった。寒さのせいではない寒さが足を襲い、動きを鈍らす。


 しかし、俺の足は止まらなかった。もう後には引けない。


 武器が無い、それは事実だ。だけど、やるしかない。体当たりでもなんでもいい。斉藤を守るため、俺がやるしかないのだ。


 目を瞑り、遮二無二駆けた俺。その時だった。何かが俺の足をすくい、俺の体は前に傾いた。あっ!と思った時は、もうアスファルトが目の前だった。俺は思い切りコケ、うつ伏せに地面に突っ伏してしまったのだった。


「ハッ、馬鹿じぇねぇの。自滅してんの」


 泥棒の汚い言葉が空から耳に届いた。激痛。体中擦ったみたいだった。顔や両手がヒリヒリしている。右の膝の辺りが濡れているような気がする。これは服を脱ぐのが怖いな・・・。


「大丈夫か!」


 斉藤の声が聞こえた。


 ・・・すまない、斉藤よ。せっかく、頑張ったつもりだったけど、全くの無意味だったよ。


 ふとその時、上司の山田の言葉を思い出した。


(頑張ったって、結果が出ないんじゃ意味ねぇだろ)


 本当、身も蓋もない言葉である。だけど、今回ばかりはその通りだった。あいつの事大嫌いだけど、結構いい事言ってんじゃん・・・。


 俺は、アスファルトのあの独特な匂いを間近で感じながら、ゆっくりと目を閉じた。


「転んだだけじゃ死なねぇよ。止めさしてやるよ!」


「逃げろ!来てるぞ!」


 斉藤の声・・・。来てる、泥棒が来てる・・・。このままじゃ、俺が棺桶だ。まさか死ぬなんて。新天地って天国の事だったのか・・・。そうかそうか、うん、それもいいかもなぁ・・・。


「馬鹿!斎藤!!!避けろ!!!!!!」


 今日一番、いや、人生で一番の大声を聞いた気がする。俺はその言葉で我に返り、まるでペダルを踏んで開けるゴミ箱の様に、パカっと勢いよく上半身を起こし、前を見た。


 しかし、我に返っただけじゃ、状況が好転するはずはない。泥棒はすぐ目の前に来ていた。俺と目が合う。冗談でもなんでもない。本気で人を殺す目をしていた。 


「死ね!!」


 心の準備をさせてくれる間もなく、泥棒は俺に向かってハンマーを振り下ろした。「あっ!!」という、斉藤の声が右の耳から聞こえたのを最後に、俺の周りは無音になり、時間が遅行した。


 おお!これが噂に聞く走馬灯が流れる時間か。死ぬ前にスローになるなんて、そんな非科学的な事が起こるなんてありえないと思っていたけど、本当に起こるなんて。これじゃあ、お化けやUFOだって信じなくちゃいけないな・・・。


 さて、スローになったし、いよいよこれから俺の過去の名場面が上映される時間だ。先ずは何かな?赤ん坊の頃かな?俺、記憶無いけどなぁ。まあ、薄っぺらい、しょうもない人生だったけど、見てやりますか。これで最後なんだからな・・・。。。


 その時だった。尻餅をついて両手を地面についていた俺の右の掌に、何か感触があった。なんだろうと思い、顔を向ける。長方形の白い紙だった。


 よく見ると、靴の跡がついている。そうか、さっきこれを踏んで滑ったのか。何だよ、お前のせいで俺は死ぬんだぞ?紙のせいで神に召されるなんてね。おっ、上手い!!


 転んだ理由は分かった。俺はゆっくりと前に向き直り、泥棒と再び目を合わした。


 その瞬間、俺の中に急に恐怖が飛び込んできた。さっきまでまるで達観したように死を覚悟していたのに、突然、それを受け入れたくないと強く思ってしまった。恐らくこの紙に一瞬気を散らしたせいだろう。


 どうしよう!やっぱり死にたくない!棺桶なんか嫌だ!俺は新天地で新しい人生を送りたいんだ!水原さんに負けないような美人な彼女が欲しいんだよ!!


「わぁああああ!!!」


 死にたくない。そう思った俺は、一心不乱に絶叫した。しかし、容赦なくハンマーは降り注ぐ。それに対し、俺は無意識に手に触れたさっきの紙を両手で握り、顔の前に掲げた。まさに紙頼みである・・・。

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