鬼気迫る、とはこのことなのでしょうか。描写も雰囲気にもけして苛烈な表現は用いられていませんが、物語の裏に確かに鬼が棲んでいました。美しい、花のかんばせをした鬼が。タイトルに惹かれて読み始めました。美しく、恐ろしさも感じる言葉です。文章が綺麗で読みやすかったです。言葉に過剰な装飾もなく、淡々とした語り口ながら惹き付けられるお話でした。