花と頭蓋

作者 夏野けい

「何の花が咲くかな」

  • ★★★ Excellent!!!

この言葉からはじまる二人の短い会話が、死を感じさせない、遠くにいるような感覚で聞こえてきました。
先輩の頭骨に閉じ込められた思考が彼女を蝕んでいく。穏やかな死が、不気味になるわけでもなく、あからさまな儚さもなく描かれていて、彼女の生き様に泣きました。悲しいのか美しいのか分からないまま泣きました。
すんなりと脳内で再生できるような描写も、物語の流れる速度はゆるんでいないのに緩急のついた文章も、素敵でした。読んでいる間ほとんど夏野さんのつくる表現に感動していました。
ずっと読んでいたい作品でした。ありがとうございます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

その他のおすすめレビュー