ライクオアラブ その1

今まで俺は恵梨香のことをただの幼馴染程度にしか思っていなかった。

ってかさ、ずっと一緒にいたから彼女のことを一人の女性として考えていなかったっていうかさ。でも、やはり恵梨香が俺以外の男子と喋っているのを見ると、嫌な気持ちになっていた。

それは嫉妬というのだろうか。

でもさ、今の俺には姫乃という彼女がいるし。

だから、俺には恵梨香の気持ちに答えることはできない。

だが心の中に変な感情がある。何故かは分からないが、恵梨香のことを思う気持ちっていうか。でも、それは恋愛感情ではない好きっていう気持ちで。

もうすでに家族みたいな。ずっと一緒に居たからこそっていうか。

まぁーつまりははっきりとはしないモヤモヤみたいな感じだな。


「ユウくんーお風呂に入ってくれば?」

茶碗を洗っている恵梨香が俺に喋りかけてきた。

手伝うよと声をかけたが、ユウくんは風邪引いてるからベッドでゆっくりしててと返されてしまったのだ。


「あぁーお風呂か。そうだなー。先に入ろうかな。それにちょっと汗っぽいんだよな」


「うんうん。それがいいよー」


恵梨香に言われるままに、俺はお風呂に入ることにした。

と言っても、今は夏に近いので、シャワーなのだけどさ。


シャワーを浴びて部屋へと戻った。髪が濡れており、水がポタポタと落ちる。

だから、俺はタオルで髪をしっかりと拭きながら、恵梨香に言う。


「恵梨香。お風呂に入ってくれば?」

「うーん。そうだねー。入ってこようかな」

「おう、それがいいぞ」

「覗くの禁止だからね!」

「分かってる」

「やっぱり、別に覗いてもいいよ」

「どっちだよ!」

「もうー。ユウくん、わたしに全く靡いてくれないー」

「そう、易々と俺はなびく人間じゃないんだよ」

「典型的ハーレム主人公なら次から次へと女の子を取っ替え引っ替えするのにー」

「あのねー。俺をハーレム主人公枠で考えるな! 俺は姫乃一筋なんだよ」

「もうー。本当にムカつくー」

「はいはい。入ってきな」

「はーい」と言いながら、恵梨香が突然服を脱ぎ始めた。

スカートを脱ぐと、そこには純白のパンツが露わになって。

それに真ん中には可愛らしいリボンが付いていて。

恵梨香って、服を脱ぐときは下の方からなんだなー。


って、違う違う。俺は一体何を考えているんだよ。


「恵梨香。どうしてこんなところで脱いでいるんだよ!」

「スカートにシワが付いちゃうから!」

「気持ちはわかるけどさー」

「乙女は身だしなみに気をつけるんだよ」


その前に乙女としての恥じらいを知ってほしいものです。


「とりあえず、早くお風呂場へ行け!」

「……ユウくん。今、ドキッとしてるでしょ?」

「……してないし」

恵梨香から顔を逸らす。そんな俺の元に恵梨香が体をかがめて、顔だけを突き出してくる。そしてからかってくる。


「ふーん。ユウくん、わたしで興奮してるんだー」

「……してないって」

「わたしたちってただの幼馴染なんでしょ? それなのに、そんな幼馴染をエッチな目で見ちゃうんだぁー」

「……み、見てないから」

「じゃあさ、ユウくん。こっちを見てよ」

「それは無理っていうか」

「無理じゃないよね?」


なんだよ、いきなり恵梨香の奴どうなっているんだよ。


「ふーん、ユウくんが無視を決め込むんだったら……」

恵梨香が俺の腕に自分の腕を絡めて、そのまま身体を寄せ付けてくる。

「……うう。お、お前何をやっているんだよ」

「お前じゃないよ? 恵梨香だよ? ほら、言い直して」

「恵梨香……そのもうやめてくれ」

「やめないよ」

「……どうしてだよ」

「さっきから何度でも言ってるじゃん。大好きなんだもん」

「あのなー」

「やっとわたしのこと見てくれたね♪」

さらに、恵梨香が俺への密着を近づけてくる。

恵梨香はスカートを脱ぎ、さらにはブラウスのボタンがはだけていて……。

そこにはまたパンツとお揃いの純白のブラが。


「今、ユウくんの心臓。ドキッとしたよ」

「し、してねーし」

「してたよ。多分、わたしの身体を見て、ドキッとした」

「し、してません」

「それってさ、わたしのことを一人の女として見てるってことでしょ?」

「……見てない」

「正直に言っていいんだよ、ユウくん。本当はわたしのことをこのまま襲いたいって思ってるんでしょ?」

「お、俺には姫乃がいるから。あぁー、ほら恵梨香。さっさと風呂に入ってこい」

俺は恵梨香の背中を押して、脱衣所まで連れて行った。

正直、このまま相手のペースに引き込まれると困るからな。

そして、俺はそのまま脱衣所を出ようとする。

だが、恵梨香に掴まれてしまう。


「ユウくん。わたしのこと、もっともっと好きになってもいいんだよ」

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