ペットちゃんは嫉妬する

「ユウくんー何をニヤニヤ見てるんですかー?」

「…………」

「むー、無視してるー。私を無視してるー」

「へへっ…………」

「またにやけてるー。何を見ているんですかー?」

「…………」

しかし、裕也は返事を返さない。姫乃は痺れを切らして、座っている裕也に後ろから飛びついた。裕也の肩に顎を置き、

「もうー何を見ているんですかー?」

「ええっ。ななな、何を見てないって」

裕也が慌てて、スマホを隠す。

もちろん、姫乃がそれを見逃すことはない。

「スマホ。スマホを見せてください」

「ええと、ちょっと今は……」

「もしかしてエッチなサイトでも見ていたんですかー?」

ジト目で姫乃は裕也を威嚇する。

「違う違う。流石に一つ屋根の下でエッチなサイトを見る気は起きないよ」

「ふーん。では私が居なかったら、見るんですねー」

「…………まぁ一応男だからね」

「けだものです。それで早く見せてください!」

「はぁー」と呆れたように息を吐いて、裕也は姫乃にスマホ画面を見せる。

そこには、水着姿の若い女性が扇情的なポーズを取っているものであった。

「こ、この女は誰ですか?」

ピキピキと音が鳴りそうなぐらい怒りマークを見せる姫乃。

「ええと、最近人気の女優さんらしい」

「ふーん。それで?」

「それでって。それだけだよ」

「どうしてニヤニヤしていたんですかー?」

「男だから仕方ないっていうか」

「つまりは、無意識のうちにニヤニヤしていたわけですか。それで?」

「それでって…………」

「ユウはその女のことをどのように考えているわけですか?」

「どのように考えているって…………普通に可愛いと思っているけど」

「ぐはっ」姫乃は何かに思い切り殴られたかのように、声を出す。


「ねぇーゆう。私さ、ゆうの彼女だよね?」

「確認しなくてもいいことだと思うけど」

「それならさー。普通さ、彼女の前で他の女を可愛いとか言っちゃダメだよねー? ねぇ?」

「…………言っちゃいけないのか?」

「言っちゃいけないの!! ゆうは私だけの王子様なんだから。絶対に私の前では、私以外の女の子を可愛いとか言うの禁止!?」

「もしかして嫉妬してる?」

「聞かなくても嫉妬してるって分かって欲しい」

「嫉妬してる姫乃も可愛いよ」と頭を撫でる裕也。

姫乃はくすぐったいようで、「ムフフフ」と声を漏らした。

「…………ゆうは唐突すぎる。ゆうに可愛いって言われるの嬉しい」

「ちょ、姫乃もその表情は禁止」

「え? 変な表情してる?」

「違う違う。めっちゃくちゃ可愛いから」

「可愛いならいいじゃん。もっともっと私を見てよー」

「無理無理。だって、このままだったら本気で姫乃を犯してしまいそうだから」

「……………………ゆうのエッチ」

かぁーと頰が赤くなっていく姫乃。その姿を見て、裕也はぽつりと「可愛い」と呟いて、姫乃に抱きついた。

そして、彼女の耳元で囁く。

「俺を本気にさせた姫乃が悪いんだからね」

そのまま裕也は姫乃を耳を甘噛みする。

「ひゃぁ…………」と姫乃の甘い声が漏れる。


「もしかして感じっちゃった?」

「…………ゆうはエロコンテンツの見過ぎ。三次元の女の子はこれだけで感じるわけがない」

「そんなことを言っているけど。姫乃の身体、さっきからずっとピクピクと動いているよ」

「違うもん。これはちがっ…………あぁ、それはダメ」

「ん? 何が?」

「耳の穴を舐めるの禁止!」

「えーでも、俺もっともっと姫乃を知りたい」

「ダメ。禁止」

「そんなことを言いながらも、姫乃。俺にずっと抱きついてるじゃん。本当はして欲しいんでしょ?」

「違うもん。ただ、ゆうと抱き合うのが好きなだけ。耳はダメ」

「ふーん。そうなんだあぁー。姫乃さ、胸触ってもいい?」

「えーいきなりだね」

「男の性欲って突然出てくるものだよ」

「エッチ…………でも本当に触りたいの?」

「うん。触りたい。もっともっと姫乃を感じたいもん」

「そっか。でも、ダメ」

「どうして?」

「だって、このままゆうに胸を触らせたら…………私ももう歯止めが効かなくなるから」

「つまりはスイッチが入ってきてるわけ?」

「うん」

「正直者でよろしい。本当に可愛いなー姫乃」

「そんなことを言いながらも他の女の子とイチャイチャするよねー」

「イチャイチャはしてないつもりなんだけどなー」

「でも、イチャイチャしてる。私ずっと見てるよ」

「知ってる。俺も姫乃を見てるから」

「…………私も知ってる。いつもゆうを見てるから」


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