クラスメイトの美少女から「ペットにして欲しい」と懇願され、同棲生活をすることになった件。でも幼馴染や妹が黙っちゃいないようです!?

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運命の人を信じる奴ってバカだと思うか?

 運命の人ってお前は信じるかと問われれば、俺は信じると答えるだろう。


 だけどさ、そんな返答をすると、「お前の頭ってお花畑状態だよな」とか「現実見ろよ」などと冷たい言葉が返ってくるんだぜ。


 本当、自分から質問してきたくせに一体何だよと反論したい気持ちが山々だよ。

 だが、世間一般的にそんな運命的な出会いとかそんなものはないのが当然だよな。

 多分だけど、現在付き合ってるカップルに「運命的な出会いでしたか?」と尋ねたら、学校でとか職場でとかそんなどこかありきたりな恋愛話を聞かされるはずだ。

 まぁ、逆にそんな出会いこそが運命っていうのかもなと最近は常々思うよ。


 『神回』という言葉だって頻繁に見かけるけど、中身を開くととそれほど凄くなかったみたいなことって多いじゃん。


 逆に俺がこれ凄いとか思ったものも、他者にとってはどうでもいいことだったみたいな経験は多々あるし。

 つまりは十人十色。


 趣味嗜好が違う人がゴロゴロいて、世の中は成り立っているって話。


 それで俺が何を伝えたいのかっていうと、『運命』ってのも実は大なり小なりゴロゴロあると思うんだよ。


 胡散臭いセミナーとかで、『今日私と貴方達が出会えたことは運命です』とか最初か最後に言っているのを聞いたことがあるときは、本当に寒いと思ってたよ。

 だけどさ、今考えたらああいうのだって実は運命的な出会いだと思うようになってきた。

 人と人の繋がりって実はとても単純だけど、物凄く奇跡に近い確率だなーみたいな。

 まぁ、それが傍から見てる人にとっては、『運命』と思うか別だけど。


 でも誰かにとっての『運命』と思うものは、人の数だけあると思うので、大なり小なりゴロゴロしてるんじゃないかと俺は思うわけだ。


 まぁ、俺が幾ら説明したところで、完璧にそんな『運命』などありえないと否定されたわけなんだけどさ。


 でもさ、俺は運命って本当にあると思うんだ。


 というか、あるって思わないと俺は本当頭がイカれちまう。


 元々イかれてるってのは認めるけど。


 だって、俺は今も十数年前に出会った女の子のことを今でも好きで好きで堪らないんだ。


 だから今も彼女と一緒に撮った写真を学生手帳の中に、大切に折り畳んで肌身離さず持っているんだ。


 多分相手も同じ写真を持っているはずだから、俺みたいに大切に持ってくれていたらいいなぁーとか乙女チックな感情を抱くほど、俺は純情な男である。


 それに俺はその女の子と約束したんだ。


 離れ離れになっても何度でも俺がまた迎えに行くと。



 すると、彼女は瞳を潤ませながら言ってくれたんだ。


 「じゃあ、ぜったいにまってるよ。ずっとずっとまってるから。おうじさまがみつけてくれるまでずっとずっと」



 俺はその言葉を忘れたことはない。

 だから俺は今も彼女を探している。


 『今も』という言葉通り、俺は未だに彼女を見つけられていない。


 おまけにその約束をしたのは十数年前の話。


 彼女は既に忘れてしまい、他の男と運命的な出会いを果たしているかもしれない。

 また、もしかしたら俺の脳が勝手に作り上げた妄想ではないかと思うことだってある。


 でも、ハッキリとした記憶がある。


 いつも元気いっぱいで、笑顔が愛らしい女の子だった。

 髪型は茶色のストレートショートヘアーで肩に当たるか当たらないかぐらいだった。

 容姿に優れ、異彩だったことを覚えている。

 多分、彼女を一目見れば俺のことだから、確実に彼女だと分かるはずだ。


 何故か?

 その理由は簡単だ。


 俺には彼女に関する手掛かりを三つも持っているからだ。


 一つ目は写真。

 これは俺と彼女と俺の母親の三人で撮った写真だ。

 そして俺はこの写真を肌身離さず持っており、時折彼女のことを思い出しているのだ。


 隣の席の奴からは「ロリコン」呼ばわりされているが、別に気にしない気にしない。


 でも相手の顔を知っているというのはかなり大きいと思う。


 二つ目は四つ葉のクローバーのペアリング。

 これは彼女が俺にくれた大切なものだ。


 これさえ持っていれば、お互いに自分たちだと気付くからだと。


 現在、俺はそのリングに革紐で結んでネックレス代わりにして、普段から身につけている。


 三つ目は、彼女と俺が最初に出会ったのが病院だということ。


 それも俺の実の母親がまだ生きていた頃の話である。

 そして彼女自身も病院に入院していたことも覚えている。


 そして、四つ目。


 俺は彼女の名前を知っている。


 彼女の名はヒメノだ。


 これだけの情報を持っているのだ。


 だから確実に彼女は見つかると睨んでいる。


 問題は、彼女が今でも俺のことを好きでいてくれているか。


 特に、他に男がいると知ったときには俺は生まれて初めての失恋を味わうことになる。

 本当にそれだけは勘弁。


 こっちは十数年間、彼女のことを思っているのだ。

 だから絶対に、彼女だって俺のことを思ってくれているはず……。


 というか、そのように願うしかない。



 だから俺は運命の人を信じる。


 そして彼女をこの世界中のどこにいても見つけ出してみせる。


 だって、俺は彼女の『おうじさま』だから。

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