第16話 金髪ツインテール

 「えっ!? そ、そんなことあるわけないだろうが!?」と手を大きく振って釈明する。


 「慌て方がその証拠ね。もう、本当に盗撮とか最低ね。これだから男は嫌いなのよ」


 断じて、俺はやってはいない。冤罪だ! 冤罪!

 だが、俺が口を大きくして言ったところで如月が黙るとは思えない。


 それに言った本人は

「東條さん。早く、教室へ行きましょう。あんなクズは置いといて」と言いながら、東條さんの腕を引いていくのだ。


 東條さんは俺を心配するように目で見つめてくる。でも如月が力強く引いていくので、そのまま引っ張られて先に行ってしまう。

 その際にしっかりとスカートの中が見れたので、ラッキーだと思ったことは内緒です。


 二人が居なくなった後、すぐに溜め息が出てきた。


 本当に何故、あの如月は俺にだけ、態度がそっけないというか、いつも攻撃的な態度を取るのだろうか。周りの人間には結構優しくしてるのに。

 俺にだけ冷たいんだぜ。もう、贔屓だよ。完全に贔屓だ。


 でも見た目だけは東條さんに負けず劣らず、美人なんだよなぁー。

 まぁ、胸は無いけど。あ、胸は無いけどな。大事なことなので二回言いました。


 その後、急いで階段を昇って、教室の中に入った。東條さんが俺に小さく手を振って、アピールしてくる。

 それに軽く会釈して、俺も自分の椅子に座った。ちなみに俺の席は廊下側から一番目の後ろから二番目の席だ。


 「クックック、よく来たな。我が師匠(マスター)!?」と後ろに座る金髪ツインテール少女が俺の顔を見るなり、喋りかけてきた。


ちなみに俺が教室に入った後、顔色がパッと明るくなったのは何故だろうか。それにあたふたしていた。


 「おはよう。水無月」と喋りかけてやると、とても嬉しそうな表情だ。


 本当に何度見ても可愛いと思う。容姿は子供っぽい感じだが、出ている所はしっかりと出ている。だからそこそこ男子には人気があると思う。

 それに何よりイギリスとのハーフらしいし。だから英語の授業とかは無双状態だ。


 だが、この水無月(ミナヅキ)レイナ。通称、レナには問題がある。


 何故なら彼女はドが付くほどの、中二病なのだ。


 「漆黒の双銃師。我が主人にして、我が師匠。黙示録(アポカリプス)に書き記された大災厄(カタストロフィ)は近い。出来るだけ早く仲間を集めなければ……」と頭を抱え込んで悩み込んでしまう。


 「はいはい。そういうのはもういいから」と適当にあしらう。


 「それと俺の二つ名を呼ぶな」と耳打ちをする。


 中学一年生の頃に出会った時はまだ中二病ではなくて、普通の美少女だったのに。

 世の中何が起こるか分かりません。まぁ、レナとは中学時代に色々と一件があって、それ以来ずっと懐かれている。だから他の男子からは羨ましいなどと言われるかもしれないが、彼女が俺のことを恋愛感情として好きだとは決して思えない。


 そ、それよりも。俺の一番の問題は隣に座る奴の方だ。


 「ねぇ、こちらをジロジロと見ないでくれる? もしかして次はワタシを盗撮する気なのかしら?」


 何を隠そう、俺の隣の席は如月紗夜(キサラギサヤ)なのである。

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