シモーヌ編 アリニドラニ村へ
そんなことも考えつつ水泳部によるホビットMk-Ⅱの捜索を見守る。すると、一時間ほどで二機とも発見できた。そして早々に引き上げを始める。これにより、人間の水難事故の場合でも同様の活躍ができるであろうことが確認される。前回のデータで水泳部も改良したし、今回はまったく問題は生じなかった。
<ホビット製造工場>でも水泳部を製造できるようにしていくし、より一層、様々な状況に対応できるようになっていきそうだ。
そして<移動電源>の方も、見た目にはそれこそ<満身創痍>という印象ではありつつ、アリニドラニ村へと到着した。と言っても、これまた
見た目にはボロボロで大容量給電にも不具合が出ていたが、それについてはそのままドーベルマンMPM五十九号機をメンテナンス要員として配し、修理を始めもした。五十九号機が見ている情報はそのまま
さらには移動電源を囲うための建材も、輸送用ヘリで、作業用のホビットMk-Ⅱと合わせて届け、プレハブ状の小型火力発電所が完成した。
これでいよいよ、アリニドラニ村そのものを独立運用。鉄の生産拠点及び<実験場>の一つとして稼働してもらうことになる。
なにしろ、輸送ヘリで届けた石炭を基にコークスを作り、そのコークスを使って鉄を精製することで品質は格段に向上したしな。
実はその陰で、
しかも、
「ドラニ……これでいいか……?」
必ずしもスムーズではないものの<言葉>まで話し始めて、もう一人前の<鍛冶屋>と言ってもいいかもしれない。しかも、ドーベルマンMPMやホビットMk-Ⅱらが使っている農具についても、他の仕事もあって鍛冶だけをやってるわけじゃない
<
の誕生だ。
「ああ、上等だ。さすがだな」
差し出された
喜んでいるようだ。
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