シモーヌ編 何も心配してない
シオとレックスがコーネリアス号で暮らすことになったといっても、二人がコーネリアス号のAIからは、
『人間であると認識されない』
事実に変わりはなく、二人がコーネリアス号を占拠してしまうような心配はなかった。それどころか、俺に対して敵対するようなそぶりを見せれば、
何度も言うように、<心>を持たないAIとそれによって制御されるロボットは、人間のように情に流されて逡巡することはない。必要な措置を必要な手順で淡々と行うだけだ。これは、セシリアでさえ変わらない。躊躇う可能性があるのはメイフェアだけだろうな。
そのメイフェアでさえ、俺が理不尽にシオやレックスを虐げたりしないのは承知してくれているから、俺に敵対するのは決して二人の利にならないことは理解してくれてるだろうし、余計に不利な状況にならないように制してくれるのはもう分かってる。ましてや今の彼女の<主人>は、仮とはいえ
とまあ。そんなこんなで別に心配もしてない。それに、もうすでにコーネリアス号に依存しなくても大丈夫なようになってきてるんだ。水泳部さえ<ホビット製造工場>の方で作れるようにアップデートは図ってる。
コーネリアス号がないと困るものは、ドーベルマンMPMやアリスやドライツェンの製造だけと言ってもいいくらいになってきている。ロボット達を統括制御する役目も、ネットワークが充実してきたことで
だから何も心配してない。
まあ、コーネリアス号を構成している部材や備品が手に入らなくなると制限されるものもあるが、それさえ、耐久性や強度の点で今の
なにより量が絶対的に少ない。『量が少ない』というのは『希少価値を生む』という面もありつつ、実用性では不利になる。一般に出回らないようなものは普段使いにはならない。
<宝飾品としてのダイヤモンド>は、宝飾品としては高い価値があるとしても、鉱物としてのダイヤモンドの特性が持つ利点の多くは<工業用ダイヤ>で間に合うもんなあ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます