シモーヌ編 要救助者の検索
こうしてまたホビットMk-Ⅱを水没させることになってしまったが、今はそれに構っていられない。
しかももう一機は、クロコディアに振り切られてしまった。掴んでいた腕が折れてしまったようだ。
そしてクロコディアが猛然と迫る。
が、そこに、
ウォオーンン!
という独特の音を響かせて巨大な影が空中に現れた。アリアンだ。アリアンが間に合ってくれた。すると、突然現れた<怪物>に恐れをなしたか、クロコディアは慌てて水中に没し、姿が見えなくなった。
そこに
この光景を見て、俺は、
『輸送用のヘリでも同じことができるな……』
と思って、輸送だけでなく救出にも使うことを考えた。そのための仕様も加えていこう。
だが取り敢えず今は、無事に救出できたことを素直に喜ぶべきだな。
しかし、ホッとしていた俺達に、<レックスのコピーらしき人物>は、
「もう一人いたようなんだが……」
「なにい!?」
ああ、これはいままでにも確認されていたことだ。あの不定形生物からは必ず一体だけが顕現するわけじゃなくて、二体三体と複数の人や動物が顕現する場合があると。
「アリアン! 要救助者の検索!」
『途中まで泳いでいたが力尽きて流された』
『最初からほとんど泳げずにそのまま流された』
等の想定をして、それぞれ推測される辺りに急がせる。すると、
「要救助者を発見! 意識がないようです」
アリアンが告げつつ機体をそこに向かわせる。さらに四百メートル以上下流だった。プローブもそこに急いで向かい、要救助者に取り付いた。
そしてバイタルサインを取得するが、呼吸も脈もない。非常に危険な状態だった。だから、先に救出した<レックスのコピーらしき人物>をアリアンの機内に収容すると後は中にいたホビットMk-Ⅱらに任せ、
アリアンも完璧に位置を合わせて、
これにより、ほとんど飛び込むような勢いで降下した
だが、そうして引き上げられた要救助者は、
「え? レックス……!?」
「こっちも!?」
シオとシモーヌが声を上げたように、確かに<レックスのコピーらしき人物>だった。
そう。同時に現れた二人ともが、<レックスのコピー>だったんだ。
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