シモーヌ編 蒼穹
こうして格闘すること八時間。
「生まれたよ。体重二八一〇グラム。元気な女の子だ」
日付が変わって、
「おめでとう、
「おめでとう。よく頑張ったな」
「えへへ♡」
声を掛けたシモーヌと俺に、
さすがに夜中だったからルコアは
「赤ん坊の名前はどうするの?」
尋ねるシモーヌに、
「
「なるほど、空を制した
俺も感心した。
「よかった……本当によかった……
シモーヌは、娘と孫の無事を喜ぶ実の母親のように涙も浮かべてた。
すると、
「おめでとうございます」
俺達の耳に届く声。
シオだった。シオも今まで見守ってくれていたんだ。そんな彼女に、
「私ね、ママの娘になれて幸せだったよ。血は繋がってなくても、
今まで
そんな
「ううん。私の方こそ、あなたを育てられたことが嬉しかった。
涙声でそう告げる。
「……!」
そうだ。シモーヌは、レックスのことも
これをシオがどう感じたかは、俺達には分からない。彼女の気持ちはあくまで彼女自身のものだ。たとえ元同一人物であったシモーヌにさえ、分からないだろうなと思う。なにしろもう、二十数年間の差異が積み重なっているんだ。ほぼほぼ完全に別人になってると言ってもいいだろう。
シモーヌがもう事実上、<惑星探査チーム・コーネリアスの
でも、それ以上にまずは……
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