シモーヌ編 こんな面白そうなこと
その日はそのまま寝てしまったシオだったが、翌朝も、ベッドから体を起こすのもつらそうだった。
「私には
シモーヌが言うから、
「そうか……」
俺としても申し訳ない気分になった。そこで、
「この際だから絵本を複製しよう」
「シオ。複製品で悪いけど、絵本を用意したから」
ビアンカにそう言ってもらって、
それを受け取り、彼女は。
「……ありがとう……」
ちなみに昨日の時点で
何度も言うように、人間と違ってロボットはそういう扱いに対しても不満を抱くことはない。ただ決められた役目を淡々と果たすだけだ。
一方、
そうして、でしゃばることなく、シオの身の回りの世話をする。
三日目。昨日は一日、シオは絵本を読み漁っていた。最初に渡した五冊だけでなく、彼女がそれを読んでいる間にさらに五冊。そしてさらに五冊と、夕方までに三十冊を用意させてもらった。これによって本棚の一段が埋まる。それが功を奏したのか、
「ん……なんか落ち着いた。ありがとう。
と口にしてくれた。
そして、
「ああ、そうだね! いつまでも落ち込んでたって始まらない! 興味深いことは山盛りだ! こんな面白そうなこと、楽しまなくちゃもったいないよね!」
と声を上げて、まずはデータの確認をする。そこからの集中力は大変なものだった。俺達がここまでで整理してきたそれを片っ端からチェックしていく。
それこそ、シモーヌが二十数年かけて理解してきたことを、一日で理解しようとでもするかのように。
でも、それが<
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