シモーヌ編 そういう諸々
『この世は決して自分の思い通りになるわけじゃない』
この現実をきちんと理解していれば、人生ってのはだいたい何とかなると俺は実感したよ。こんな文明もない場所で生きてたってそれなりに楽しめるくらいにはな。
『自分の思い通りにはならない』中で、ほんの少しだけ自分にとっていいことがあればそれを喜べばいいじゃないか。俺の家族が幸せに生きていてくれるならそれだけで俺にとっては幸せなんだ。
でも同時に、死が常に隣り合わせで、あれこれと煩わしいことも多くて、そして何より、『自分もいつか死ぬ』という不幸がある世界であることもまぎれもない事実ではある。
シオにとっても、愛するレックスも
『その現実を受け止められるようにするための距離を置く』
ための選択なんだと俺は思うし、
「かつての私ならそうすると思う」
とシモーヌも言ってくれた。そして実際にシオは、コーネリアス号へと帰り、
「おかえりなさいませ」
そう言って出迎えてくれた
「ただいま」
と笑顔を向けてくれたそうだ。
ちなみに、シモーヌやビアンカや
無論、彼女の様子については報告してもらうけどな。
「シオは、
「ありがとう。もし気になることがあればいつでも報告してもらったらいい。エレクシアもいるしな」
報告してくれたビアンカに俺はそう告げる。
さて、ここからが長いぞ。いくら研究者としての好奇心を刺激されたからといって、なにもかもをそれで割り切れるわけでもないのが人間ってもんだろう。俺とシモーヌのこと。透明な体になってしまった自分自身のこと。レックスや
その辺りのサポートのためにも、
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