玲編 玖号機と拾弐号機
運用データを蓄積し、ドーベルマンMPM用のパーツでアップデートを繰り返してきたドーベルマンDK-aは、製造時に比べて格段に性能が上がっている。以前はクローラーを装備していた脚も、今はドーベルマンMPMと同じくタイヤになっている。それを、ボクシングのグローブのように使い、前二本の脚で打撃を行うこともできるようになってるんだ。作業用のマニピュレータは華奢で、打撃には使えない代わりに。
ドーベルマンMPM四十二号機が、
そして、まず
だが、
「なにっ!?」
後から間合いを詰めていた
その蹴りを、足の関節部に付けてある樹脂製のカバーで受け止めた
何という威力。瞬間、
「こいつ、
確信してしまった。
しかし、
これがロボットの強みだ。人間とも他の動物とも違う体の使い方ができるんだ。そしてどんな態勢でも戸惑うこともない。
が、若いマンティアンの方も戸惑うことなく体を回転させ、今度は右の後ろ回し蹴りを繰り出してくる。
こいつはこいつでとんでもない身体能力だよ。
ただ、今の一合のデータが届くと、エレクシアが、
「確かに並のマンティアンよりは、
との言葉に、
「ドーベルマンDK-aでも行けるか?」
俺は問い掛ける。それに対してもエレクシアは、
「対応が可能であると推測できます」
と応えてくれた。
もし完全に
戦闘用ではないアリゼでさえ、ドーベルマンDK-aを上回る運動性能は持ってるんだ。
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