玲編 角
新暦〇〇三五年八月七日
なんてことはさて置いて、
食欲そのものはあるみたいだから健康なんだとは思うものの、実際、エレクシアにバイタルサインを解析してもらっても弱ってきてるのは確かでありつつはっきりと<病気>と言えるようなものがないのも事実であるものの、やっぱり、衰えそのものは隠しきれない。
だがその『健康であること』『病気とは言い切れないこと』自体が、野生を生きる者としては必要なものだったのかもしれない。弱みを見せないようにするためにはな。
それを証明するかのように、
「
と告げてようやく、それと分かった。
メイフェアやイレーネに挑みかかって返り討ちにあったり、
こんな風に<最後の見せ場>もなくあっさりと退場することに文句を付ける者もいるだろうが、そんなものは知ったことじゃない。マンティアンとしては希少な、ずっと
最後を
「お疲れ様、
そして
そこにちょうど
「
エレクシアがそう告げた。
「キリ…キキキ、キリリ」
<マンティアンの言葉>でも。
「……」
地球人の目には薄情にも映るその態度も、マンティアンとしては別に特別なものじゃない。むしろずっと同じ相手と添い遂げることの方が例外的なんだから、
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