玲編 住み分け
新暦〇〇三五年八月五日
実年齢だけで言えば、地球人の場合だとまだ<
すでに繁殖可能な状態だしな。
とは言え、年齢差は結構なものだ。ただし、そんなものを気にするのは地球人くらいなもので、野生の動物にとっては関係なく、気にしないようだ。
こういうところにも地球人のいい加減さが垣間見える。
自然を引き合いに出して、
『子供を生み育てるのが当然』
『子供ができないから同性愛は異常』
とか言いながら、自然ではごく普通な、
『年齢差など気にしない』
『子供が老いた親の面倒を見ることはない』
ということについては無視するんだからな。
本当に自分に都合のいいように物事を解釈してるだけだとよく分かる。
もっとも、それを言ってる俺自身が地球人だから、物事を自分に都合よく解釈するってのは日常的にやってるだろう。だからこそ他者のしてることについても厳し過ぎないように心掛けてるだけだ。
ここに住んでない人間が気にしてたって関係ない。ここに住んでいない人間はそれこそ余所者だし何の実害もないわけで。
なお、
その
マンティアンとしては異質な
ところで、
「明らかに動きが鈍ってきてるね」
「ああ……年齢も年齢だからな……」
シモーヌとそう確認する。
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