閑話休題 菱と藍
新暦〇〇三五年五月九日
その一方で、ビクキアテグ村ではケイン達が順調に育ってたが、他方では当然、同時に様々なことが起こってる。これもその一つだ。
この日、
この日の狙いは
それを確実に仕留めて自分達の命を繋がないといけない。
なお、
そして、一番外には、年老いた個体が来る。
これは、老いて外敵や天敵との戦いにも役立てなくなった個体にとっては<最後の務め>らしい。外敵や天敵から群れを守って生き延びられればそれでよし。生き延びられなかったとしても、自らが餌となって群れを守るんだ。
過酷ではあるが、これも自然の摂理というものか。
こういうのを見ているとなおさら地球人の異様さが際立つな。
何しろ地球人は、年老いた親の面倒を子供に見させようとするからな。それでいて、
『子供を作るのは生き物としての本能!』
とか言うんだよ。いや、待て、<生き物としての本能>、つまり<自然の摂理>を盾にそんなことを言うのなら、年老いて役に立てなくなった個体は早々に退場するのが自然じゃ普通だぞ? 子供に面倒を見させようなんて生き物は滅多にいないぞ?
確かに、レオンとかパパニアンとかの特に社会性が強い種の場合には、平時は老いた個体に餌を届けてくれたりもするものの、いざとなったら老いた個体を見捨てて囮にする形で群れを守ることだってするぞ?
なのに地球人は、一方では<本能>を盾にして生き物としての在り方を説き、他方では<自然の摂理>を無視して老いた者の面倒を見ろと言う。
どっちなんだ? 本能や自然の摂理に従うべきなのか、それとも本能や自然の摂理を無視して<人間らしさ>を大事にしたいのか?
なあ? どっちなんだ?
俺は、<自分の家族>や<仲間>を大切にしたいからこそ、
だから、家族や仲間を守りたいんだよ。
……って、
と、いつものように脱線したが、いや、
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