灯編 新米パパ
新暦〇〇三五年五月二十五日
『どちらに転ぶかは、ケイン達それぞれをちゃんと見て判断しなきゃいけないってことだ』
そう覚悟を持って臨むとな、案外、どうってこともないもんだよ。
まあそれは、俺がすでに自分の子供達の事例を見てきて慣れてるからっていうのもあるだろう。それについて
「頭では分かってるつもりだけれど、やっぱり不安なものだね。『子供が人間として育つかどうか分からない』というのは……」
と口にした。それに対して俺は、
「ああそうだな。俺の場合は、『なんかもうひたすら振り回されてる間に気付いたらそうなっていた』って感じだったからそれほど心配したり悩んだりした覚えがないんだが、冷静に考えれば不安になって当然だと思う」
正直に応えた。この辺りは<先輩親>として力になりたいところだ。
<新米パパ>
なんだよな。ましてや、ケイン達とはそれこそ血も繋がっていない。血が繋がっていなくても『誰かを愛する』ことはできるんだから、『血が繋がってないから絶対に愛せない』わけじゃないものの、心理的な部分で、
『血が繋がっているか否か?』
は少なからず影響することも事実だろう。俺だって、
その事実に目を瞑って、
『血が繋がってなくても愛せて当然!!』
なんて声高に言うのも違うと思う。だから
だからこそ、
「心配や不安はあって当然だ。ましてや慣れてないことを完璧にこなせなんていうのもただの無理難題だしな。だからこそ俺達がいるんだ。
と、きっぱりと告げさせてもらった。
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