灯編 母親としての役目
目を覚ました
『自分のことは自分でできる』
という程度ではあるけどな。これは、
性別に関係なく、『自分のことは自分でできる』のが大事だと思うんだ。特にこういう世界だとな。
野生の動物だって、基本的にはそうだ。成体にもなって自分のことが自分でできないような奴は、基本、生き延びられない。地球人だけだろ、
『いい年をして自分のことが自分でできなくても誰かにやってもらってなんとか生きられる』
なんてのはな。
居間に座り込んだままで『おい!』とか言うだけで箸の上げ下げまでやってもらえてたとか。俺から見れば普通に恥ずかしいことだけどな。しかも、<王様>とかの大きな力を持ってる者ならいざ知らず、ちっぽけな一家庭を維持するだけがやっとの人間がだぞ?
だから俺も偉そうにはしない。エレクシアやセシリアに身の回りのことをやってもらってるんだから、それについては感謝しかない。俺自身もできなくはないが、それこそ、俺一人の世話を焼くだけで精一杯だ。そんなので何を偉そうにできるというのやら。
生まれた時の
が、いかんせん、外見が完全に地球人の赤ん坊のそれだったことで、生みの母親である
実の母親の
そう言えば、それまで俺が<タカ人間>と呼んでいたのを<アクシーズ>と命名したのもシモーヌだったな。パパニアンやマンティアンやレオンもそうだ。以降、それに倣って種族名を付けていったりもしたが。
そんな中で、
その彼女の存在が、シモーヌにとっても支えになっていたようだ。
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