ホビットMk-Ⅰ編 超々ジュラルミン
新暦〇〇三四年十月二十日
こうして
さっそく、クロムモリブデン鋼で作られていたホビットMk-Ⅰの<爪>を超々ジュラルミン製のそれに交換。すると、バランスがわずかに改善。転ぶ回数が減った。
ただ、この<超々ジュラルミン>。実は経年劣化が激しく、長く使うと強度が落ちるだけでなくボロボロと崩れていくそうだ。なので、今の地球人の社会ではほとんど使われていない。超々ジュラルミンよりも軽く強くしかも経年劣化もほとんどない素材はいくつもあるからな。
それでも、今の
が、やっぱり本格的な採掘が始まらないと肝心の量が確保できないし、今はまだその準備段階だ。
新暦〇〇三四年十一月二十八日
そんなこんなで徐々に段階を踏む中、いよいよビアンカの出産が始まった。
「ビアンカ、赤ちゃん生まれる? 生まれる?」
「ビアンカがんばれ」
そうやって応援してくれる
すでに<陣痛>が始まってから丸一日。いよいよ出産が始まってからすでに十二時間。初産ってこともあってか、結構、時間が掛かってる。
だが、出産が始まって十三時間後、
「にゃああ…にゃああ…」
子猫のような泣き声。
「午後七時三十五分。無事出産。女の子だ」
タブレットから届いてくる
「いよおっし!!」
「おめでとう!」
「おめでとー!」
「おめでた~!」
「おめでとう!」
こちらで、俺と、シモーヌと、
俺なんて、ガッツポーズまで取ってたよ。
そして、別のタブレットには、涙ぐむルコアと、ルコアに抱きついてる
「さすがに今の顔を見られるのは恥ずかしいから、音声だけでごめんなさい。みんなのお陰で無事終えられました。ありがとうございます」
届いてくるビアンカの声もさすがに疲れているのが分かる。
「礼を言うのは俺の方だよ。ありがとう、ビアンカ。お疲れさま。それで、名前はもう決まってるのか?」
俺の問い掛けに、ビアンカと
「
こうして、ビアンカが願ってやまなかった
この時、コーネリアス号内を映したタブレットには、ホビットMk-Ⅰの姿も映っていたのだった。
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