とにかくそうして和（まどか）と陽（ひなた）と麗（うらら）が駆け回って遊んでいると、レッド、ブルー、イエローの子や孫達も、走り回って一緒に遊ぶ。えらいもので、ボクサー竜（ボクサー）達も、深（しん）や鋭（えい）には近付かない。懐いているとまでは言い切れなくとも、少なくとも俺やシモーヌや、エレクシア、光（ひかり）、和（まどか）、陽（ひなた）、麗（うらら）、新（あらた）、焔（ほむら）、玲（れい）、セシリア、イレーネ、ドーベルマンDK-aについては、同じ場所で暮らす＜共生関係＞にあることは理解してるらしいものの、深（しん）、彩（さい）、鋭（えい）については、

『敵じゃないが馴れ合える相手じゃない』

とは感じているようだ。

で、レッド、ブルー、イエローの子や孫達についても、完全に定着したやつらについては、名前を付けている。

レッドとブルーは雌で、イエローが雄。レッドもブルーも、イエローの子を生んで、そのほとんどが今はもうここを離れて駿（しゅん）の群れやさらに他の群れに合流したりしてるが、二頭が今も残り、レッドとイエローの子が＜オレンジ＞、ブルーとイエローの子を＜グリーン＞と呼んでいる。いずれも雌だ。

で、オレンジが駿（しゅん）の群れの雄との間に作った子で、今でもここに残ってるのが、＜ヴァイオレット＞、＜スカーレット＞、＜アプリコット＞。グリーンがやはり駿（しゅん）の群れの雄との間に作った子で、今でもここに残ってるのが、＜ビリジアン＞と＜ライム＞だな。ビリジアン以外はすべて雌である。

正直、ヴァイオレット、スカーレット、アプリコット、ビリジアン、ライムは、かなりボクサー竜（ボクサー）としての本能と言うか習性と言うかは薄まってきている印象がある。はっきり言って＜犬＞とそんなに変わらないだろう。印象としては＜ドーベルマン＞って感じだろうか。慣れてないとかなりおっかないが、仲間と認めると牙を剥くことはあまりない。

そんなヴァイオレット達の間を和（まどか）と陽（ひなた）と麗（うらら）が駆け抜けると、ヴァイオレット達も同じように走る。集落の端をぐるぐると走ったりする。