ビアンカ編 胎児
そして、俺が考えてる程度のことは、ビアンカや
『自分だけがその考えに至ってる。境地に至ってる』
なんてのはただの<思い上がり>だし<傲慢>だ。俺にできる程度のことならできる人間だって他にもいるんだよ。ビアンカや
<俺にできる程度のことはできる人間>
だ。むしろ俺よりずっと優秀だ。
とは言え、人間である以上、何もかもを一人でやってのけられるわけじゃない。能力の高い低いじゃなく、『物理的に無理』という場合だってある。
加えて、
でも、『力を貸してほしい』と言う時は力を貸すさ。人間(地球人)はそうやって生きてきた。たぶん、
新暦〇〇三四年四月二十五日
それから二週間後、
「ほらここ、これが胎児ね」
モニカがハンディエコーを使って、シモーヌが画像に丸を付けた。そこには、豆粒のような<何か>。
「うわあ……」
ビアンカがそう溜息のような声を漏らす。看護師としての経験もある彼女は、胎児のエコー画像も見たことはあるものの、
「やっぱり、さすがにまだ目に見えて<胎児>って印象はないですね……」
とも。しかし、シモーヌは、
「そうね。でも、これで確定。もちろんこのまま妊娠が継続されるとまでは断定できないけど、まずはおめでとう、ビアンカ」
はっきりと告げた。
「やったじゃん! ビアンカ!!」
「おめでとう、ビアンカ、
俺やシモーヌと一緒にタブレットで参加してた
「赤ちゃん!? ビアンカの赤ちゃん!?」
「すげー! すげー!」
とは言え、
ただ、この場に、
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