ビアンカ編 命に係わる無茶
新暦〇〇三四年二月二十五日
その翌日も
さらにその翌日も。
こうなるともう、ほぼ確定だな。
「
夕食時、ビアンカに随伴していたドーベルマンMPMのカメラ映像を見返しながら、
「やっぱり、そうなんでしょうか」
実際に直接手合わせをしているビアンカも、問い掛けるような言い方ではあるものの彼女自身に実感があるようだ。
「考えてみれば、
俺も、これまで見てきたそれから得た感想を口にする。
「それはあるかもしれない。彼にしてみれば、
シモーヌも、一応、専門家としての見解を述べた。
「だとすれば、彼にとってはようやく自分の相手を満足するまでしてくれる存在に出逢えたということかな」
「かもしれない。それがドーベルマンMPMでありビアンカだったんだろう。その意味では、幸いだったと思う」
俺と
「もしそうなら、私も嬉しいです。今後も彼が納得するまで相手をすればいいってことですね?」
笑顔でそう言った。
ビアンカが笑顔になると、ルコアもホッとしたように表情が和らぐ。
「<成長>するためには、自身の力が今、どのレベルにあるのかを確認する必要がある。それを具体的に把握できなれば、どのように伸ばせばいいのかが分からない。そのためにも<負ける>ということが必要なんだと僕は思う。それにより自らの力のほどを知ることができるからね。
ただ、野生の場合は、<負ける>ことがそのまま<死>に直結することが多いから、余計に、幼いうちに仲間とじゃれることでそれを把握するんだと、実感したよ。だからこそ、
もっとも、人間(地球人)の場合は、そもそもヤワだからな。野生の動物ほどの無茶をしたら命にも関わるからそこまではさせられないにしても、<力比べ>に応えるくらいはやっぱり必要な気がするよ。
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