ビアンカ編 技術の継承
アリニドラニ村が<職人の村><ものづくりの拠点>となっていくであろうと同時に、ビクキアテグ村でも、『自分達が使うものは自分達で作る』という習慣が根付いていくようにしたいと、
ただ、<
おかげで、その気のない人間や十分な技能をもたない人間に無理に継がせて技術そのものが衰退したりということも防げてると聞く。
が、いつまで経っても後継者の人間が現れなくて、延々とロボットだけで保全し続けてるものもあるとか。そうなるといよいよアーカイブ化されて、データだけが残るということにも起こるとも言われてたりする。
自分達で使うものを人間自身の手で作れなくなるというのは、何気にリスクが高いだろう。『ロボットに任せておけばいい』と考えてたらそのロボットそのものを作る技術が失われる可能性もあるわけで。
ちなみに、人間(地球人)の社会では、一から十まで全部ロボットに任せてロボットを作ることは禁止されている。必ず人間が関与することが義務付けられているんだ。
これも、<ロボットの反乱>を予防するためだそうだ。
などといつも通り横道に逸れつつも、
さすがにここまでにもいくつも作ってきただけあって、手慣れたものだ。手際がいいから見ているだけでも結構楽しい。
こうして、三時間ほどで、一本、作り上げてしまった。
ちなみに、柄の部分は、今のところ担当してくれる者がいないので、コーネリアス号の工作室で、植物のセルロースを原料にした代用プラスティックを使って作ってもらってる。
そんなこんなで日も暮れて、
「少佐、夕食ができました」
ビアンカが呼びに来てくれた。
「ああ、分かった。すぐに向かう」
応えた
「レオンの個体が接近中」
監視のドーベルマンMPMからの情報を、
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