ビアンカ編 守るべきもの
水遊びを終えたビアンカ達は、シャワーで体を流し着替えたファンデーションを塗り直し着替えた後、家の軒先に張ったタープの陰で軽く昼寝をすることにした。
俺も、この場合は寝ない。
草原を渡ってくる風がタープを揺らし、ビアンカ達の体を撫でていく。モニカやテレジアのカメラに捉えられるその光景は、本当に<幸せそのもの>という感じだな。これを守るために俺は努力を続けたいと思う。
こうしてビアンカ達が昼寝をしていると、
そしてまた、猛然と泳ぎ、飛び跳ね、暴れる。自分の中にある<力>を存分に発散しつつ、<生きるための体の使い方>を自ら習得していってるんだろう。実に頼もしい。
その様子を、
そうこうしているうちにビアンカが目を覚まし、ルコアと
「平和ですね…少佐……」
「ああ…そうだね……」
川ではしゃぐ
すると、
「うい~っす」
「それじゃあ、作業を再開しようか」
「了解!」
「はいな!」
「はい…!」
ビアンカと
本当はこれも、ドーベルマンMPMらに任せてしまえば済む作業なんだが、やはり人間自身でもこの程度のことはできるようにしておかないと、いろいろ鈍ってしまうからな。
一方、ルコアも、同じように柵が傾いているのを見付け、直そうとするが、さすがに手間取ってしまう。それをドーベルマンMPMが補佐し、ルコアが木槌で柵の柱を打ってしっかりと地面に刺すことで何とか真っ直ぐ立て直すことができた。
「上手だよ。ルコア。ありがとう」
その様子を、ドーベルマンMPMのカメラを通して見ていたビアンカが、同じくドーベルマンMPMのマイクとスピーカーを通して労いの言葉を掛ける。
「うん……」
少し照れくさそうに頷くルコアの姿が実に愛らしい。こうやって見守ってもらえている実感があるから、彼女の精神が安定しているんだろうな。
一方、ルコアを見守っていることは、ビアンカ自身にとってもいい影響を与えているとも感じる。自分が<大人>であることを改めて自覚することに。<守るべきもの>があるというのは、結局、そういうことなんだろうなと、俺自身も改めて感じるよ。
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