ビアンカ編 川遊び

そんなこんなで、昼食を終えてしばらく寛いだ後、皆で川遊びをすることになった。そのための<水着>も、用意してある。


あかりは、スレンダーな体付きに合わせてデザインはシンプルでおとなしいものの、同時に、色は、彼女の性格も表すビビッドな<限りなく赤に近い明るいピンク>で、


ルコアは、サーペンティアンだけに基本はチューブ状のワンピース型で、色は、ややクリーム色に近い白で、


ビアンカは、大人の女性なだけにややセクシーなビキニタイプでありつつ、色は、彼女が好きな桜色だった。


ちなみに、久利生くりうは、


「僕は遠慮しておくよ」


ということだったので、川岸でビアンカ達を見守りながらチェアで寛ぐそうだ。


なお、未来みらいは、当然のことながら全裸マッパである。


ただ、川の方は、そのままだと底に泥が溜まっているタイプのそれなので、実は、川遊びをするために二十メートルほどの区画を樹脂で固めてある。環境を一時的に整備するためにコーネリアス号に備えられていたものだ。保存状態だとロール状のシートになっていて、水に溶けず混ざらず、同時に水に濡れると硬化が始まり、水中でもそのまま川底をコーティングできるという代物だった。


しかも、十年ほどで生分解されて元に戻るという。だから数年ごとに敷設し直さないといけないんだが、ロボットがいれば任せてしまえるので、それほど手間でもない。


こうして、簡易の<流れるプール>が出来上がるということだ。元々は、水源を確保するために、底に沈殿した泥や有機物がなるべく混ざらないようにして濾過を容易にするということを目的に使われるものらしいけどな。


「ぎゃはははははは♡」


「あはは♡」


「~♡」


「ぐお~っ! うお~っ!!」


あかりとビアンカとルコアと未来みらいが、バシャバシャと川ではしゃぐ。さすがに俺がその光景を映像で見守るのは憚られたから音声だけだったが、すごく楽しそうな雰囲気は伝わってきた。


水深は深いところでも五十センチほどしかないから飛び込んだり勢いよく泳いだりはできないにしても、水遊び程度なら十分だろう。


ところで、ルコアの水着は、あくまでチューブ状になっているだけなので、動いている間にずり上げってきてしまう可能性がある。だからそうならないように腰から下の部分はギャザー状にしてよれを吸収し、ずり上がってこないように工夫してある。その複雑な縫製を行ってくれたのもモニカだ。だからルコアも気兼ねなく楽しめる。


本当に感謝感謝だよ。


おかげでビアンカも、ルコアに気を遣いすぎずに水遊びを楽しめたそうだ。


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