ビアンカ編 敬える存在
エレクシアは、なおも続ける。
「ただしこの際、気を付けなければいけないのは、子供の自尊心を打ち砕いてしまってはいけないということです。
無論、今の時点で既に、膂力の面では
それをビアンカが補っているのです。それにより、
ここでもし、ビアンカが
両親の関係性が影響してくるということでしょうね。
ビアンカは
彼女の言うことは、俺にとっては実感しかない。
エレクシアは、俺の群れにおいては<序列一位の嫁>といった立場だった。その彼女が俺に対して(多少の辛辣さはありつつも本質は)丁寧に接してくれてたから、子供達の俺への評価が維持されていたっていうのは確かだと思うんだ。もし、エレクシアが俺を見下し、蔑ろにしていたら、誰も俺の言うことなんて聞いてくれなかったかもしれない。
家庭における父親の権威が失墜するのは、結局、こういう形で起こるんだろうな。
が、ここで勘違いしちゃいけないのは、
『母親に父親を持ち上げさせればいい』
ってわけじゃないということだ。
『内心では父親のことを敬ってない母親に無理にそんな<演技>をさせたところで、早々にボロが出る』
というのも、事実なんだよ。子供もそういうのを敏感に察することが多いそうだ。
つまり、
『演技じゃなく母親が敬える存在であること』
が、父親には求められる感じか。となれば当然、父親も母親を敬ってなけりゃダメってことだな。
だってそうだろう? 自分を敬ってもくれないどころか、<道具>とか<召使い>的に扱われてて、それでも相手を敬えるような<聖人>が、この世にそんなにいるか? って話だし。
『凡人だからそこまでは無理!』
ってことなら、そりゃもう相応の対処するしかない。
自分を敬ってもらいたいなら、相手のことも敬わなきゃ、な。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます