モニカとハートマン編 まったく脅威にはならない
一体、どこに隠れていたのか、
煤にまみれてすっかり黒くなっているが、それが余計に、鱗に覆われた体を、不気味なモノに見せていた。正直、こちらの方がいかにもって感じで、らしいな。
そしてためらうことなく、ビクキアテグ村目掛けて走る。
そんな
すると
それでも、怯んでいるような気配は全くない。むしろ、牙を剥き、燃えるような目でエレクシアを睨み付ける。
もっともそんなことにエレクシアも怯むわけがなく、彼女もまた、
見る間に双方の距離はつまり、
「ガアッッ!!」
短い咆哮とともに、
「……」
しかしエレクシアはあくまで冷静にスッと手を前に出し、
もう、その動きだけで、ハートマンらドライツェンとは全く次元が違うことが分かってしまう。速度も、動きの正確さも。
しかもこの時、実を言うと、エレクシアは<戦闘モード>を起動させてはいなかった。それに準じた<危機対応モード>で稼働していたんだ。
これは決して牙斬を侮ったわけではなく、ロボットであるメイトギアの仕様上やむを得ないものだった。
と言うのも、今回、本来の警護対象である俺自身が直接危険に曝されているわけじゃないので、戦闘モードに入れないんだ。
それでも、<危機対応モード>であっても発揮できる出力そのものは<戦闘モード>とほぼ同等であり、確か以前にも言ったと思うが 、攻撃者が人間だった場合、<危機対応モード>では傷付けることはできないものの、それはあくまで相手が人間だった場合に限られ、人間以外の猛獣などが相手の場合には、その限りじゃないんだ。なので、
だから、このまま
ここまであれだけ大掛かりな<作戦>を決行したというのに、エレクシアが対応した途端にこれだ。
本来の地球の技術力であれば、
正直、
そして何より、重傷を負ったルコアと、巻き込まれた動物達にどう詫びればいいものか……
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