モニカとハートマン編 穴
半径数百メートル内の多くの生物を死滅させることになる<サーモバリック爆弾>を、本当は使いたくなかった。実際、ドーベルマンMPMらが管理してくれていた畑が二つ消滅し、
なにしろ、巻き込まれた
それを、こちらだけの都合で犠牲にした。
この事実が恨めしい。
「
だからこそ、
俺は、たまらない脱力感を覚えながらも、自分にそう言い聞かせていた。
そうだ。この時、俺は完全に終わった気になっていたんだ。
当然だよな。直径数百メートル、千度を超える<火の玉>に飲み込まれたとなれば、たとえ
はずがないのに、
当然か。これから
安全を確認した後、ハートマンとグレイが、ドーベルマンMPMを伴って捜索を開始する。ビアンカも、油断なくショットガンを構えたまま、その様子を見守っていた。
彼女も、まだ、警戒を解いていない。
正直、素人の俺としては『何もそこまで』と思ってしまう。あんなものに生物が耐えられるとは思えない。
なのに、その時、ドーベルマンMPMの一機が、バンッ!と弾かれるようにして、胴がちぎれて飛んだ。
「な…っ!?」
俺はまた声を上げてしまったが、ビアンカはショットガンを構え、
「抑えろ!」
ハートマンとグレイに指示を出した。俺が遅れて、
「
と命じたが、その一瞬の遅れが命取りだった。焼け焦げた土の中から何かが飛び出し、ハートマンとグレイを振り切って奔ったんだ。
残されたのは、焼け焦げた
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