アリニドラニ村編 ルプシアン
新暦〇〇三十二年五月二十七日。
日付が行ったり来たりで時系列がややこしいだろうが、仲間が増えれば増えるだけ、当然、同時進行でいろいろなことが起こっており、それを振り返っている形なので、ご容赦願いたい。
アリニとドラニは、今も淡々と村の拡充を続けてくれている。そこに、フライトユニットを装備して飛んできたドーベルマンMPM二機が合流した。取り敢えず、それぞれアリニとドラニのサポート役と言うか<手足>として運用していくことになる。
ロボットだから人間のように<生活>はしないが、それでも、
『四人の住人が暮らしている』
的な雰囲気にはなってきたな。
しかもドーベルマンMPMは<顔>の部分の意匠をドライツェンに寄せてるから、なおのこと<家族>っぽくもある。
まあ、そうは言ってもデザインが、
<ゴーグルを着けた軍人>
をイメージしたものでもあるから、<家族>と言うよりは、
『何かの<部隊>にしか見えない』
と感じる者もいるだろうか。
その辺は別にどうでもいいとして、とにかくアリニとドラニはよく働いてくれてる。
昼間は<家>の建設を。夜間は製鉄を。
人間のように休む必要がないロボットとしての特性を活かし、淡々と黙々と。
そして、そんなアリニとドラニを監視するかのように見詰める目。
ほぼ毎日のように遠くから様子を窺っている。
せっかくなので、こちらかも観察させてもらう。
ルプシアンは、<オオカミ>の名を冠していても、遺伝子的にはレオンやパルディアと大きく違わない、精々、地球人における<人種の違い>くらいの差異しかないことはすでに分かっている。見た目の印象が何となくオオカミっぽいからそう呼んでるだけだ。
生態的にも、レオンに限りなく近い。
ただ、レオンよりは若干、慎重なのかもしれないという印象はある。レオンの群れは、ドーベルマンDK-aがいても慣れてきたり他に餌がないとなると襲い掛かってくることもあるからだ。
とは言え、スタン弾を込めた自動小銃の斉射を受けると、次からは近寄ってこなくなるけどな。ほとんどの場合は。
実は、
もちろん、
で、ドーベルマンDK-aで援護すると。
しかし、最初のうちは姿を見せるだけで逃げていたのが、だんだんと慣れてきて襲い掛かってくるからスタン弾をお見舞いするわけだ。
さすがに実際の痛みが伴うとなると、向こうも避けようとはするよな。
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