來編 待って!
新暦〇〇三十三年一月十七日。
正直、相変わらず
何より、ビアンカも
そうして出来上がった<ビクキアテグ村>での初めての命がいよいよ誕生しようとしている。
落ち着きなく池の中でぐるぐると回転する
今はただ見守るしかない。
そして、生まれた瞬間に救出するんだ。
「ウウウウウウ……っ!」
アリスシリーズとドライツェンシリーズは、コーティング用の樹脂の原料になる物質がここでは確保できないことで、一部、防水されてない部分もあるが、なに、人命優先だ。池に飛び込んだことで故障したとしても、修理すればいい。ロボットはそのためにいるんだ。
ロボットに感謝しつつ、しかし<道具>としてわきまえて付き合っていかないといけない。
それを疎かにすれば、死ぬということがないロボットを庇うために人間の命が危険に曝されるという本末転倒なことが起こる。このことについてもきちんと伝えていかないとな。
と、今はそれどころじゃないか。
水面がさあっと赤く染まる。
「ググググウウウッ!」
ビアンカと
もっとも、肉体的には人間と変わらない
それでもとにかく、
だが―――――
だが、ぐうっと力を入れたその直後に「ハア…ッ!」と
「! 待って!」
「え…!?」
一瞬、体が固まるビアンカの視線の先で、
しかもその表情は、穏やかなものだったんだ。
別に驚いてる風でも、警戒してる風でもなく、クロコディアの母親として普通のことをしているだけなのだった。
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