來編 いよいよ
新暦〇〇三十二年六月十五日。
さらに二週間が経過した頃、突然、
それで察した。
「たぶん、妊娠ね。
シモーヌが言う。
「いよいよか。
しみじみと呟いてしまう。
「そうね……」
俺と一緒にずっと見守ってきたシモーヌも感慨深げだ。
まだ十年くらいは時間もあるだろうとは思いつつ、確実に<その時>は近付いてる。
<第二世代>との別れの時が……
そして、本来の形質が強く出てる俺の子供達も、
でも、
ただ、クロコディアは元々、やや長生きの傾向があるようなので、もしかしたら
とは言え、治療カプセルや医療用ナノマシン以外の高度な医療設備のないここでは、あまり不自然なほどに長生きさせると今度は
正直、あの時の
だから無理に長生きさせようとは考えてない。
彼女が彼女のままで最後まで生きてもらえれば……
新暦〇〇三十二年十一月二十日。
その後、妊娠が改めて確認でき、俺達は
なお、
そういう意味では
だからこれから先は、それこそ気ままに生きてくれて構わない。万が一、生まれた子供が先祖返りを起こしてても俺達が責任持って育てる。
と思っていたら……
「やはり、人間の姿だね……」
大きく膨らんだ
俺の目にも、クロコディアとしての特徴が見えないのが分かってしまう。
「約十分の一の確率とは言え、しょっぱなか……」
さすがに俺も唸ってしまう。
とは言え、これもあらかじめ予測されていたことだ。慌てる必要もない。
後は、生まれた時に確実に保護するだけだな。
「まあ、その辺は任せといてよ」
テレジアもいることだし、正直、そういう意味では心配はしてないよ。
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