翔編 私達の役目
新暦〇〇三十一年一月十一日。
アリニとドラニについては
それらについては、部品も順次補充してるし、その場で修理できるものはアリゼ達自身が修理してくれる。
だからこの日も、あらかじめセシリアが俺のローバーに積み込んでくれていたそれをアリゼとドラゼに届けるため、アリゼドラゼ村に寄る。
すると、
「仲がいいのは良きかな良きかな」
俺もいまさらうろたえる必要もないし、軽く受け流して、
「今日の分の資材だ」
とアリゼに手渡す。
「ありがとうございます」
彼女はそう言って部品が入った箱を受け取り、さっそく、それでドラゼの修理を始めた。
右前足のカバーが割れてたんだ。家を建ててる時に建材の一部が強度不足で折れてアリゼの上に落ちてきて、それをドラゼが庇ったことで建材が当たったそうだ。
人間の場合なら、当然、労災に当たるそれも、ロボットには関係ない。修理すればすぐに直る。
ただ、その原因となった建材は、正直、品質を揃えるのが難しい状態にある。原料となる木材の品質も安定してないからな。
そういう部分の管理を今後どうしていくかということを考えるためのシミュレーションでもある。だからある意味では、今のうちに事故が起こってくれるのがいいんだ。
「すまないな」
大変な役目を負ってくれてることについて、アリゼとドラゼを労わせてもらう。
「いえ、これが私達の役目ですから」
合成された機械音声ではあるものの、エレクシアと同じことをアリゼも言う。
当然か。日常的な受け答えのベースになっているのはエレクシアのそれだしな。
エレクシアほどは冷淡でないものの、ロボットとしての基本的な部分はやっぱり受け継いでる。
ドラゼの修理はものの五分で済んで、それを見届けた俺は、アリニドラニ村にも資材を届けるためにエレクシアと一緒に向かった。
アリニドラニ村では完成した木材保管用の倉庫に木材を運び込んでいる段階だった。
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