走・凱編 沢
とまあ、おっとりしすぎていてレオンとしては<怠け者>の部類に入るであろう
現在は、主に
レオンは、元々、群れ全体で子供を育てるという傾向が強いようだ。なので母親である雌が死んでも他の雌が子供を育ててくれる。
その一方で、ライオンと同じくボスが交代すると、新しいボスが前のボスの子を殺すという<子殺し>もある。
そして自分の子供を新しいボスに殺されても、その雄をボスとして認めていれば母親である雌が反抗することもない。ただし、新しいボスをボスとして認められない場合は、子供が幼いとその子を連れて群れを出ることもある。
子供連れでは、そこのボスに子供を殺されることが多いので他の群れに合流することはまずできないが、例えば巣立ったばかりの若い雄などの場合は、まだ子供っぽさが抜けていないからか<子殺し>はあまりしないようなので、そういう雄と合流して新しい群れをつくるということもあるらしい。
思った以上に柔軟性があるみたいだな。はみ出し者にも生き延びる術は残されているんだ。
だから
もちろん、いつもいつもそう上手くいくとは限らない。若い雄と出逢えなければ、たとえ出逢えたとしても子供の存在を受け入れてもらえなければその場で殺されることもある。常に助かるわけじゃない。それでも可能性はある。可能性があるということが重要なんだろうな。まあその辺りは、レオンとしてまっとうに生きていたとしても獲物に逆襲されたりして命を落とすことだってあるんだから、厳しさとしてはどっこいってところだろう。
それでも、子供達と一緒にいる時の
母親としてはやや難のある
大したもんだよ。
前のボスとの間に生まれた
人間と違って複雑な学習を受けるわけじゃないことで、生来の性格の影響が強く残るんだろうな。
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