走・凱編 まかり通る
『ビアンカを俺達と敵対させないように』
俺達の方がまず彼女を受け入れるというのは、そういう意味でもあるんだ。こちらから敵対するようなことをすると彼女としても自分を守るためには敵対するしかなくなるだろう。
本来は敵じゃなかった相手をわざわざ敵に回すというのは、人間にとっては大きなリスクなんだろうな。
まあ、人間社会じゃビアンカは、
『人間として認められない』
という大きな問題はあるものの、ここじゃそれも大した問題じゃない。今いる俺達の受け止め方だけって話だ。
ビアンカも、この惑星においては、
<人間の種族の一つ>
なんだよ。
今後、社会を作り上げていくのなら、いずれはその辺りも厳密に規定していく必要があるだろうが、今の時点では、
『俺がこの世界の法だ!』
で通るからな。それがまかり通るうちに、ビアンカのような事例についても明確にしておきたい。
俺がそんなことを考えてる間も、ビアンカは
それで言うともちろん
これはあれだ。ネコを飼ってる知人の家に行った時なんかに、そこのネコが姿を隠してしまうあれと同じかもしれない。何度も訪れて危険はないと分かってくれてるだろうにやっぱり距離は保とうとするからな。
もっとも、それは
レオンよりはかなり好奇心の強い傾向のあるパパニアンである
まあ俺達の縄張りの中ではそんな状態な訳だが、ここではモニター越しなので、
それが気に入ったんだろうな、ビアンカはずっと眺めていたそうだ。
穏やかな表情で。
同じ映像を俺のタブレットの方にも映してもらったが、そこでは、
なるほどこれは可愛い。うっとりと見入ってしまうくらいには可愛いと俺も思う。
かと思うと、
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