明編 雷雨
新暦〇〇二九年五月二十四日。
今日はすごい雷雨だった。さすがに
普段は機械のように冷淡な印象もある
それどころか、
レッド、ブルー、イエローや子供達も軒下で固まって動かない。
が、
どががががんっっ!!って感じの爆音のようなのが響き家がびりびりと振動すると、
「うわっ!」
と声を上げて体を竦ませる。
これは
「うおっ!?」
と身構えてしまう。この辺りはやはり生物としての本能的な反応だろうな。とてつもない音がすると、反射的に危険に備えてしまうんだ。
雷雨自体は別に珍しくない。落雷があったからって必ず例の不定形生物由来の動物が発生する訳でもない。かなり複雑な条件が絡み合って初めてそうなるみたいだし。
しかしそれでも、『もしかすると……』とは思ってしまう。
今回も割と近いところで大きな落雷があり、ドローンの何機かがその影響で故障したようだった。しかもまた、河にも落雷があったようだし。
一時間ほどしてようやく雷が収まってくると、
「ふう…」
と思わず溜息をついてしまった。
「今回もすごかったですね」
シモーヌが髪を整えながら話しかけてきた。
タブレットを通じて、
「いや~、さすがに怖かったよ」
子供達はともかく
それでも、雷雨が収まれば元通りだ。
「状況は?」
エレクシアに損害確認を求める。
「落雷の影響でドローン三機をロスト。四機に重大なエラーが生じています。母艦ドローンを回収に向かわせました」
との報告だった。
「ありがとう。人的被害はないんだな?」
「現時点では確認できていません」
「そうか。もし何かあったら知らせてくれ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます