明編 チャンス
新暦〇〇二八年九月二十二日。
今日も今日とて、
それを冷たい目で彼女は睨み付けた。
ふい、と視線を逸らすと、
が、
まさに<肘鉄>だな。野生のマンティアンにはあまり見られない攻撃だ。もちろん、肘も非常に硬く強力な武器だから当然使うんだが、使い方が違うんだ。普通は横から叩きつける感じなのが、
生身の人間が食らえば確実に顎がめちゃめちゃに砕かれ、下手をすれば頸椎骨折で死に至る恐ろしい一撃だな。
それでも、マンティアンの場合はさすがにすぐには死に至らない。その場に崩れ落ちるように膝をついても、すぐさま立ち上がろうとする。
そこにさらに、容赦のない前蹴りが、意識を上に向けた
これまた、人間なら内臓破裂ものだ。こんなものを食らっても死なないんだから、十分に化け物じみてるよ。
「……」
再び地面に膝をついた
普通に考えれば『脈がない』と分かりそうな気もするんだが、生き延びていることがある意味では<強さの証明>に当たる野生動物、とくにマンティアンの場合では、
『自分は死んでない。だから強い』
という認識になる場合もあるということなのかもしれないな。
いやはや、実に面倒臭い。
だが、ここに至っても
冷徹に考えれば、若い
今は彼女が強いからそれを認めてる
だから本当は、今のうちにとどめを刺した方がいいんだろうな。
けれど、
でもそれは、
しかし、やはり無限にあるわけじゃなかった。
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