誉編 出発
「お父さん、気を付けてね」
少しふっくらとした印象になった
「ああ、もちろん、気を付けるよ、
そうは応えたものの、実際に危険な任務をこなすことになるのはエレクシアであって、俺は十分に安全な距離を取った後方でローバーの中で待機してるだけだからな。
正直、危険なことは何もない。
だから心配そうに見ている
「さっさと片付けて帰ってくるよ」
と笑い掛けさせてもらった。
その上で、
「イレーネ、セシリア、留守を頼む」
「承知いたしました」
淡々と応えるイレーネに頼もしさを感じつつ、敢えて自宅から出てこないシモーヌにも、
『いってきます』
と心の中で挨拶をする。
最後に、
「
するとさすがに何かを察したのか、
「うん…!」
と大きく頷いてくれる。
その間にも、エレクシアは<
さて、いよいよだな。
やはり普段と違うことを察してか、
普段と変わらずにいてくれるならそれでいいので、気にしない。
庭にはレッド、ブルー、イエローの姿もあり、彼女達の子供らもいつも通りに戯れていた。
そうだ。俺は、この光景を守りたいから行くんだ。
「準備が終わりました」
エレクシアが告げると、
「分かった。じゃあ、行ってくるよ」
俺は軽く手を振りながらエレクシアと共にローバーに乗り込む。
長く
こいつに比べると旧式で、フライングカーペット機構(ブランゲッタ)を搭載してないコーネリアス号のローバーとはまったく異なり、するすると滑るように密林へと侵入していくローバーの中で、俺は腕を組み正面を見据えていた。
何事も問題なくスムーズにいけばただの<遊興としての狩り>に等しい気軽さで事を終えられるだろう。
だから正直、俺は妙に冷めた気分を味わっていたのだった。
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