誉編 自然の循環
新暦〇〇二七年七月二十四日。
実際、目立ったエピソードもなかったし。
だが、そんな<モブ>にも等しい彼にもちゃんと人生はあった訳で、しっかりと子供も残せてるし、決して無為な時間を過ごした訳じゃないんだろうな。
たとえドラマティックでなくたって、当人の人生においては当人が<主人公>だ。全員に触れてやれないのが申し訳ない。
それなりに力自慢だった筈の体はすっかり
同じように衰えてしまった
そしてこの日、眠っているうちに
寝床にしていた枝から崩れるようにして地面に落ち、それに気付いた
自分にはもはやどうすることもできないのを確認したんだろう。
もちろん眠る必要がない上に常に群れの様子をモニタリングしていたことですぐに気付いたメイフェアも、改めて
その後、
こうして、
俺は、朝になってからメイフェアによる報告でそれを知ることになった。
「お疲れさん。ゆっくり休んでくれ……」
非常に簡単ではあるが、密林に向かって俺は黙祷し、彼の死を悼んだ。
気付くとシモーヌと
その
体も二ヶ月ほどにしては明らかに大きい。
こうして新しく生まれる命もあれば、去っていく命もある。
そんな当たり前が、何事にも代えがたいんだろうな。
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